住友ベークライトとNECは、生産技術のデジタル化に向けて共創し、製造工程にAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった最先端のテクノロジーを導入することで、製造工程の自律制御を実現したと発表した。
住友ベークライトはIoTを用いて、静岡工場(静岡県藤枝市)など国内主力4工場内の装置の稼働情報などを可視化。併せて、AIが各工程における制御ルールを分析することで、従来は難しかった機能性化学品のバッチ連続型生産ラインにおけるデジタル化を実現したという。
具体的には、Edgecrossコンソーシアムが普及・推進するエッジコンピューティング領域のソフトウエアプラットフォーム「Edgecross」を採用。異なる装置メーカーの出力情報について通信規格の差異を吸収。複数種のデータを工場全体で分析できる環境を構築した。
また、製造工程各所に取り付けたセンサーを通じて、装置の稼働情報、品質に関わる評価情報などを収集し、自動的に分析。NECの最先端AI技術群の一つである「インバリアント分析技術」を用いることで、リアルタイムに得られる計測データから通常とは違う異常を発見し、その違いを数値化した。
さらに、運用上規定されている装置の制御ルールに加えて、AIを活用することで、熟練技術者の経験に裏打ちされていた装置制御に関する暗黙知を「見える化」して、制御ルールとして登録。これにより、製造工程の自律制御と品質の安定化・向上に寄与したとしている。
こうした改善により、住友ベークライトでは、国内基幹工場の主力生産ラインで、デジタル化による生産効率20%向上を達成した。国内の他の生産拠点・生産ラインにも展開するほか、海外拠点への導入に向けた環境整備を進めるとしている。(インプレスウオッチ)