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靴下メーカーがランナー専用マスク開発 子供用も

 国内最大の靴下の産地として知られる奈良県広陵町の老舗メーカー「昌和莫大小(しょうわめりやす)」(井上克昭社長)が、ランナー向けに開発したスポーツマスクが話題を呼んでいる。吸汗・速乾性に優れ、「汗でマスクが引っ付き、息苦しい」というランナー特有の悩みを解決。5月上旬の販売開始以来、1万3千枚以上を売り上げ、今月からは子供用の販売も始めた。(田中一毅)

 自社ブランド「OLENO(オレノ)」を展開する同社は、足裏の筋力やバランス感覚を養いながら運動できる“はだし靴下”や、アスリート用の靴下を開発。その縁もあって、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同社製品を愛用するアスリートから「普通のマスクで走っていると汗で引っ付いて、息ができない」という相談が相次いだ。

 感染防止のため、熱中症や呼吸困難に留意しつつ、ジョギング中にマスクを着用する人は多い。同社では4月中旬から開発に着手。未舗装で起伏のある山道を走るトレイルランニングの選手ら数十人のアスリートの協力も得て改良を重ね、ランナー専用のスポーツマスクを完成させた。

 軽量で吸汗・速乾性に優れ、サラサラとした着け心地のポリエステル製で、靴下編み機で製造。口元などにはメッシュ加工を施し、楽に呼吸できるようにした。耳ひもにはストレッチ性のある素材を使っており、顔にフィットする構造でズレにくい。二重構造で、不織布を入れるとウイルス対策も可能に。繰り返し洗濯できる耐久性の高さも人気の秘密だ。

 5月9日から予約発売を開始。全国で学校が再開すると、不織布マスクでの熱中症を心配する保護者からの問い合わせが殺到し、子供用も開発した。子供用は生地を約10%薄くしており、柔らかさと通気性が向上。モニター調査に協力した幼稚園児から小学校高学年までの子供たちからも、「息がしやすい」「野球の練習でずっと着けている」と好評だったという。

 井上社長は「社会が『コロナとの共存』という新しいライフスタイルを受け入れようとしている今、ランナーや子供たちがより快適に、楽しくマスクを着用できるようなご提案ができれば」と話している。

 大人用(税込み1320円)は3サイズあり、色はスカイブルーとグレーミックスの2色。子供用(同990円)はグレーとパステルピンクの2色。同社オンラインショップで購入できる。問い合わせは同社(0745・55・0415)。

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