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スポーツの無観客試合が導く新たなコンテンツとは (2/2ページ)

 技術を魅せる演出

 視点を放送・配信サービス側に移してみよう。野球やサッカーなどの団体スポーツが無観客で行われることに視聴者が慣れてくると、新たなスポーツコンテンツが開発され、受け入れられる土壌ができあがってくるものと思われる。

 注目されるのは即時性・勝敗よりもアスリートの技術が問われるスポーツだ。例えばビリヤードのような競技である。現在YouTubeにはたくさんのビリヤード録画が掲載されているが、単にゲームを追っているだけでは素人には退屈な画面が続くだけである。

 即時性を放棄して、繰り出される技術を解説するカットを組み入れることにより、とびきりのエンタメコンテンツになり得ると思われる。同じ手法がゲートボール、グラウンドゴルフなどシルバースポーツにも応用できるであろう。ギターを中心に楽器の演奏ガイドの映像があふれていることもその予感を裏打ちするものである。

 このような視点で映像や構成を組み立てれば、新たなスポーツコンテンツが開発できるものと期待される。

【プロフィル】宮田正樹

 みやた・まさき 阪大法卒。1971年伊藤忠商事入社。2000年日本製鋼所。法務専門部長を経て、12年から現職。二松学舎大学大学院(企業法務)と帝京大学(スポーツ法)で非常勤講師を務めた。

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