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動画配信の国内市場が急拡大 自宅滞在長期化で

 インターネットでの定額動画配信サービスの利用者数が国内で急増し、競争が過熱している。牽引(けんいん)するのは世界展開を進める海外勢だ。豊富な資金力を生かして制作した独自作品を日本にも相次いで投入し、視聴者を獲得している。新型コロナウイルスの流行により自宅で過ごす人が多くなっており、国内勢も対抗している。

 存在感を高めているのは、米ネットフリックスだ。日本国内で初めて企画制作したドラマ「全裸監督」のヒットは記憶に新しい。アダルトビデオの監督を題材にした型破りなストーリー設定に加え、主演の山田孝之さんをはじめ豪華俳優陣で話題となり、昨年、日本で最も見られた独自作品となった。園子温さんら有名監督の作品も相次ぎ発表した。

 国内の契約者は300万人を突破。世界の利用者は1億8000万人を超えており、制作費には年間1兆円以上を投じるとされる。制作会社アミューズが手掛けるドラマ「深夜食堂」はTBS系列で好評だったが、シリーズ第4弾からネットフリックスでの配信になった。「予算の桁が一つ違う」。アミューズの遠藤日登思プロデューサーは「移籍」した理由を語る。

 人口が多く、ネットも普及した日本は、海外勢にとって優良市場だ。米アマゾン・コムも通販サイトとセットでサービス提供し、幅広い利用者を取り込む。米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーも6月に新サービスを開始。持ち前の人気シリーズの独占配信で視聴者を引きつける狙いだ。

 ICT総研の調査では、国内の定額配信サービス利用者の推計は、2016年の890万人から18年は1480万人に増加した。国内勢ではU-NEXT(ユーネクスト)や日本テレビの傘下で配信する「Hulu(フールー)」などもそれぞれの戦略で利用者を増やそうとしている。

 ユーネクストは国内外の映画やドラマの調達に力を入れ、視聴できる作品数は約20万作品と群を抜く。フールーも、日本テレビを中心としたテレビ番組との連携を生かし、見逃し配信や派生作品の制作を強化する。

 総務省によると、18年度のテレビのリアルタイム視聴時間は平日で60代が平均248分だったのに対し、10代は71分と、若者のテレビ離れは顕著だ。映像メディア総合研究所合同会社の四方田浩一代表は「映画などの娯楽映像では放送の優位性がなくなってきている」と指摘。放送とネットの垣根を越えた戦いが始まっている。

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