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自粛の反動でうなぎ商戦活況 家庭でプチぜいたく、安値傾向も

 新型コロナウイルスの影響で消費が伸び悩む中、小売りなどが21日の「土用の丑(うし)の日」を前に、うなぎ関連商品の展開に熱を入れている。豊漁などで安値傾向にあるほか、外出自粛でちょっとしたぜいたくを家庭で楽しむ需要が高まっているためだ。既に予約販売分を売り切ったチェーンまであり、商戦は近年にはない活況を呈している。

 予約件数が2.5倍

 「自宅で食べるごちそうとしての需要が高い」。イオンリテールの松本金蔵水産商品部長は声を弾ませる。5月下旬から始めたインターネットでのうなぎ予約件数は前年同期の約2.5倍に達した。

 目玉商品は、大きさ約30センチという「鹿児島県産うなぎ蒲焼(特大)」。価格は1パック2580円(税別)だが、家族など2~3人で食べることを想定しており、豪華かつ手ごろな価格で楽しめるのが特徴だ。

 「3月から実施した水産物のセールでも、これまでスーパーにはなかった高価格帯の商品が好評だった」と松本氏。19日から本格化した店頭販売でもニーズの拡大を期待する。

 今年はニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」が豊漁で取引価格は下落傾向にある。この相場安などを反映する形で、イオンは通常サイズのうなぎを前年の約1割安とするほかセブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下のヨークも「うな重」などの価格を前年比で最大2割程度引き下げた。

 さらに商戦を後押しするのは、外出自粛の反動から家庭での“プチぜいたく”を求める消費者心理だ。

 エヌピーディー・ジャパンの東さやかフードサービスシニアアナリストは「消費者が旅行などの代わりに、家族で楽しむイベント的な体験を求めている。コロナにならないよう夏バテを防ごうとの意識もうなぎ消費へのハードルを下げている」と分析する。

 実際、大丸東京店(東京都千代田区)では11日の入店客数は例年の半分程度だったが、デパ地下のうなぎ専門店は販売個数が前年の2割増。ファミリーマートはうなぎ商品全4品目の予約数が上限に達し、受け付けを9日で終えた。

 外食業界も反転攻勢

 新型コロナの影響を受ける外食業界も、うなぎメニューで反転攻勢を狙う。

 外食大手ゼンショーHDはファミリーレストランや牛丼など各チェーンで展開する。なか卯ではうなぎ1本分を使った「うな丼 豪快盛」を9日発売し、「想定以上の売れ行き」という。吉野家は高まる持ち帰り需要に対応。21日受け取りで「鰻重」などを事前予約すると本体価格を10%引きにする。

 担当者は「消費者は今年の丑の日を特別に感じている。なるべく店内で待たせない仕組みで安心を提供したい」と話している。(佐久間修志)

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