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伊予の小京都に「まちまるごと分散型ホテル」 旅行需要を期待 (2/2ページ)

 豪雨、コロナ乗り越え開業

 同ホテルと同形態の「NIPPONIA」ホテルは、これまで奈良市▽兵庫県豊岡市▽広島県竹原市▽福岡県太宰府市-などで展開しており、大洲市は10カ所目。大洲市への誘致に尽力したのは、同市のまちづくりを担う一般社団法人キタ・マネジメント企画課長、井上陽祐さん(34)だ。

 同市出身の井上さんは総合商社で勤務をした後、30歳で総務省の「地域おこし協力隊員」になり、平成29年に同市にUターン。任期の3年間、市観光課で市の課題解決に取り組んだ。その中で、歴史的な街並みでありながら空き家が増え、手入れされないまま放置されたり、更地になったりしている同市の現状を打破したいと考えた。

 そこで井上さんは、分散型ホテルに着目。兵庫県丹波篠山市でNIPPONIAの分散型ホテルを運営する「NOTE」(藤原岳史代表)と提携、地元の伊予銀行などとともにファンドを作って資金を調達するなどし、事業に着手した。

 村上邸について「なるべく往時の姿を残しました」という井上さん。村上邸は豪商ならではの2階へ続く「隠し階段」があるほか、商売繁盛を願い、その年の恵方へ向けることのできる回転する神棚、文字の書かれた壁紙などもそのまま保存されている。

 平成30年7月の西日本豪雨では資材が届かなくなった。今年は新型コロナウイルスの影響で当初予定していた4月開業が7月にずれ込んだ。苦境を乗り越えてのオープンに、井上さんは「分散型ホテルは新型コロナにも対応しやすい。日本をもっと知りたいと四国を周遊する欧米人にもアピールできる」と期待を寄せている。

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