私は米国に住んで23年。23年前に、仕事を1週間休んで3歳になる息子と2人、旅行目的でシリコンバレーを訪れた。その時に今の旦那からプロポーズされ、入籍後にグリーンカードを申請しアメリカ永住権を取得。当時は法改正などがあり、2年間グリーンカードが手元に届かなかった。(Boyd Mire)
1週間分の着替えをやりくりし3年の間は、日本へ帰れずにいた。再婚後は2人の子供を授かり、3人の子育てをアメリカで行った。また、米国では珍しい義理の父と、義理の妹との同居を10年経験した。
2003年にヤフーオークションを始め、09年には現地法人を設立。留学のサポートや企業研修などのプログラムを開始。教育事業に関わったことが縁となり、18年から今年3月までPreschool(プリスクール)の先生を務める。この経験はとても大きかった。これからの時代は、個性を潰す環境ではなく、生かす環境が必要だと気付かせてくれた。今年、互いの個性を土台とした社会づくりを目指し、新たなコミュニティーを創出するプロジェクトを始めるに至る。
アメリカに来てあっという間だった。カリフォルニアのシリコンバレーという特殊な場所で生活をする中、人の目を気にして周りに合わせて生きてきた自分がいた。子育ても同じ。こうでなければいけないという世間の枠に縛られている自分がいた。そんな自分に気づかせてくれたのは、3人の子供たちだった。
個性豊かな子供たちは、世間から見るとはみ出し者かもしれない。しかし、彼らは失敗をしながらも、自分を生き、人生を楽しんでいる。「こうでなくてはいけない」という、今までの概念を壊してくれた。現在21歳の娘は高校卒業後、大学に行かずに成功すると決め、大学に行かなくては幸せになれないという概念を壊してくれている。
新型コロナウイルスをきっかけに、ゆっくり考える時間をもらった。おかげで自分と向き合い、本当の自分とつながることができた。今、子供たちから教わった「自分を生きる」ということを、たくさんの人に伝えていきたいと心底思う。これまでの枠にしがみつく生き方ではない、個性が輝く時代がきたと感じる。
【プロフィル】Boyd Mire
ぼいど・みれ 東京生まれ。8人兄弟で育つ。米国シリコンバレー在住。2009年に現地法人Matoikを設立。11年に留学支援、企業研修を行う子会社を設立する。11年から国際社会で活躍する女性を支援する団体「Global Women’s Association」にて、世界の女性とともに活動している。