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航空部品各社が新事業模索 コロナの需要急減に蓄積ノウハウ活用

 新型コロナウイルス流行による航空需要急減で不況に苦しむ航空機部品各社が、相次いで新規事業に乗り出している。米ボーイングなど航空機大手は大規模な減産を迫られるほか、国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)の開発計画は大幅に縮小。主要顧客との取引が細る中、各社はあの手この手で新たな収入源を模索する。

 スペースジェット試作機の胴体組み立ての一部を担った東明工業(愛知県知多市)は、避難所向け段ボール製ベッドや、新型コロナ感染防止のための間仕切りの本格生産に乗り出した。航空機部品の梱包(こんぽう)に使っている特殊な段ボールなどを使用。一般的なものと比べて湿気に強く、豪雨被害にも活用できるという。行政機関と販売に向けた交渉を進めている。

 同社幹部は「自社の強みを生かした事業で雇用を守っていきたい」と強調する。2021年8月期に段ボール関連の新規事業で売上高3億円を目指す。

 航空機部品設計のタマディック(東京)は、旅客機を貨物用に改修する設計変更に活路を見いだす考えだ。旅客需要の減少で旅客機を貨物機に改造する航空会社が増えているためという。

 航空機用エンジン部品を製造する放電精密加工研究所(横浜市)は、これまでのノウハウを生かし、航空機部品の品質検査に必要な資格取得を支援する事業を始める。同業他社や航空産業参入を目指す企業の従業員が対象だ。担当者は「新型コロナで仕事は減っているが、収束後の需要回復を見据えた人材育成に一役買えれば」と話している。

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