大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発

 情報を暗号化したまま扱う認証アルゴリズムを開発

 ≪東京理科大学≫

 理工学部情報科学科の入山聖史准教授らの研究グループは、ユーザーの個人情報は開示せず、認証情報のみをサービスプロバイダに提供する、すなわち情報を暗号化したまま扱うシングルサインオン(SSO、単一のIDとパスワードで複数のシステムへログインできる仕組み)アルゴリズムの開発に成功した。

 開発したアルゴリズムは、暗号化方式の一種である照合可能暗号(VE)をベースに、ワンタイムパッドを適用することで、セキュリティ攻撃に対する高いロバスト性(堅牢性)を実現した。ワンタイムパッドとは、暗号運用方式の一種で、一回限りの乱数鍵を使用して暗号化および復号化を行うため、正しく運用された場合、解読は不可能。1つのIDとパスワードで複数のサービスにログインできるSSOは、利便性が向上することで注目を集めている。

 また、本研究グループが提唱する「情報を暗号化したまま扱う」という情報処理技術が普及することで、生体情報のような変更のきかない個人情報も安全に利用可能になり、私たちの生活はより一層安全・安心になると期待される。

 社会人の学び直し 7科目集中講義開講

 ≪金沢工業大学≫

 社会人が学生や教員と共に学び合う金沢工業大学の「KITリカレント教育プログラム」。2020年の夏期集中講義期間には、AI・ビッグデータ・ICTをテーマにした7科目の集中講義が開講する。今回は遠隔授業(自宅や会社からのオンライン受講)での実施することにしている。

 「KITリカレント教育プログラム」は、社会人が学生や教員と共に学び合いながらAIやIoTといった先進情報技術を基礎から応用まで学習できる3コースがある。今回は、全13科目のうち、社会人対象として2コースのうち7科目を開講する。プログラムの背景には、来たる情報技術社会「Society5.0」をリードするうえで欠かせないAI、IoTなど最新技術は、企業が取り入れたいと思いつつも、社員の学び直しの機会があまりないという実情がある。「KITリカレント教育プログラム」はこうした企業のニーズに応えるものであり、最新の情報技術について学び、企業が新たな価値創造や自社技術の向上につなげることを目指す。

 紙・電子出版物の利用促進策を提案

 ≪東京都市大学≫

 情報工学部知能情報工学科の渡部和雄教授らは、出版物の利用促進を目的に、媒体別(紙と電子)における消費者の使い分け状況を明らかにし、出版社や書店に向けた利用促進策を提案した。

 近年、電子出版物の販売額が増加する一方、紙出版物は大きく減少しており、出版社や書店には、紙・電子出版物の共存に向けた消費者への利用促進策の提案が求められている。

 今回、紙・電子出版物に対する消費者(20~60歳代)の意識や行動について5年にわたり調査・分析(毎年1回、各500~1000人)した結果、年代や目的、シーンによって特徴が表れることが明らかになった。これにより、両者の共存に向け、電子出版物には価格の引き下げ、紙出版物にはターゲット層の明確化による装丁の工夫などを提案できるようになった。

 寝屋川キャンパス、大規模リニューアル

 ≪大阪電気通信大学≫

 大阪電気通信大学は情報教育の一層の進化を目指し、寝屋川キャンパスの大規模リニューアルを実施している。6月に、新棟「OECUイノベーションスクエア」の西側半分の第一期竣工を迎えた。研究室間の壁を取り払った、フルオープンな学びのスペースが特徴。他学科や研究室の活動を垣間見ることでお互いに刺激しあい、切磋琢磨しあえるきっかけが生まれる。学生ラウンジやパサージュに自然と人が集まり、学部学科の枠を超えた学生や教職員の交流により、新たな価値を創出し続ける。OECUイノベーションスクエアは、地上3階、延床面積約1万9500平方メートルの教育施設になる。第二期(OECUイノベーションスクエア東側半分)は2022年春に竣工予定。

 附属中学・高校の屋内練習場が竣工

 ≪工学院大学≫

 附属中学・高等学校の屋内練習場が竣工した。木柱が60メートルに渡って等間隔に連なった開放感ある外観が特徴だ。グラウンドを始め学校周辺環境と調和したデザインを目指した。基礎と柱、柱と梁はホームコネクターで接合し、金物が見えないすっきりとした内部空間になっている。設計は工学院大学建築デザイン学科・樫原徹准教授。この施設は、野球をはじめとした、多目的な運動、競技での利用が可能。壁が無いセミオープン空間のため、グラウンドで練習するメンバー達と分断されることない練習環境を実現している。

 水陸両用車の自動運転・運航システム構築

 ≪埼玉工業大学≫

 日本財団の「無人運航船の実証実験にかかる技術開発共同プログラム」に、ITbookホールディングスが代表となるプロジェクト「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」が採択された。埼玉工業大学は、群馬県長野原町、エイビット、日本水陸両用車協会と共に産学官連携のコンソーシアムに参画する。3日には、このプロジェクトに関する共同記者会見が群馬県長野原町で開かれた。埼玉工大は、このプロジェクトでITbookテクノロジーとともに水陸両用バスの自動運転・運航システムを構築する。長野原町が導入した水陸両用バスに、自動運転・運航時の離着水・離着桟、水上障害物の回避、遠隔操作技術など機能構築を進める。研究期間は2年間の予定で、5年後の実用化を目指す。

 バーチャル空間でキャンパスツアー

 ≪広島工業大学≫

 オンラインによる初のオープンキャンパスを19日に開いた。多くの企画のうちの一つに、広島工業大学工学系研究科環境学専攻の大学院生が作った「バーチャル広島工大」があり、ネット上に再現したキャンパスを訪れた延べ589人の高校生たちに、学生が施設を案内したり話し掛けたりして迎え入れた。

 参加者はSNSアプリを通してスマートフォンやパソコンからアクセス。自分のキャラクターがアバターとなって講義棟や図書館、食堂、売店の周りを歩いた。大学院生は、新型コロナウイルスの影響で大学に通えない新入生を気に掛けてバーチャル空間を作った。

 色から連想する楽器、人種・言語超え共通

 ≪芝浦工業大学≫

 色彩から連想する音や楽器を日本人と5カ国の外国人に調査した結果、共通して暖色は「トランペット」、無彩色は「ピアノ」を連想する人が最も多いことが分かった。芝浦工業大学デザイン工学部デザイン工学科4年の松山聖太さんは、レゲエ歌手でアプリ開発者のDOZAN11氏(元・三木道三氏)、ビジョナリストの三木学氏、ディーバの青柳臣一氏、芝浦工業大学の日高杏子准教授と共同して、色彩から連相する音や楽器を124人に日本語と英語でアンケート調査。生活環境や言語による違いがあるのか日本語話者79人と英語話者45人で比較した。

 この調査結果は、写真を読み込んで作曲するアプリ「mupic」のバージョンアップに組み込む予定。

【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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