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日本の携帯料金、実はお得!? 業界、総務省調査は「不公平」と反発 (1/2ページ)

 世界的に割高とされている日本の携帯電話料金について異論が出ている。独立系調査会社は、主要国と比較して日本の携帯電話の通信品質はトップクラスでありながら、料金は中位であると評価。31日に開かれた総務省の有識者会議では、この会社の担当者が「日本は必ずしも高額とはいえない」と指摘した。総務省調べでは日本の携帯料金は「世界一高額」とされ政府は値下げ圧力を強めるが、携帯業界は反発している。

 会議で報告されたICT総研(東京都千代田区)の調査は、日本のほか、米英独仏韓の計6カ国、25事業者を対象とした。着信側にも料金が発生する米国など、各国で条件が異なる音声通話料は合算せず、データ通信の料金のみを比較。割引施策についても、誰でも無条件に適用される最小限なものにとどめた。

 同調査によると、日本の料金は、ソフトバンク系のワイモバイルなど、格安スマートフォンブランドが含まれる低容量プランだけでなく、20ギガバイト以上の大容量でも、欧州よりも高いが米韓を下回り「おおむね中位レベル」だった。

 また、通信品質は、現行の第4世代(4G)移動通信システムへのつながりやすさを示す接続率が、日本は98・5%と6カ国中トップだった。通信速度も韓国に次ぐ2位で「料金の割に通信品質が高い」とした。

 6月末に総務省が公表した調査結果では、シェア1位同士の料金比較で、日本のスマホ料金は世界一高額とされた。ICT総研の斉藤和代表取締役は「料金が独り歩きしているところがある。品質も合わせて総合的に評価することが重要だ」と指摘する。

 やり玉にあげられた国内首位のNTTドコモも調査結果に「必ずしも適切な比較ではないと捉えている」と猛反発している。総務省の調査には、各社の割引施策が反映されておらず、割高な料金モデルで提示されているからだ。一方で韓国の通信料金には、端末購入代金か通信料金の割引を選べる公的な補助金制度による割引が含まれており「不公平」との声もある。

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