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化粧品各社がデジタル店舗開設 体験重視、都心旗艦店で試み

 化粧品各社が、体験を前面に出した店舗を東京で相次ぎ開設している。資生堂は、主力ブランド「SHISEIDO」で初となる旗艦店を銀座で7月31日に開き、デジタル技術などを使ってさまざまな美の体験を提供。ポーラ・オルビスホールディングス傘下のオルビスなども同様の店舗を設けている。インバウンド(訪日外国人)を含む消費者の興味が「コト消費」へと向かう中、商品販売以外の仕掛けを拡充することで、ブランドや商品の魅力をアピールする考えだ。

 SHISEIDOの旗艦店は、銀座3丁目にある地上11階、地下1階建てビルのうち、1階を含む3フロアを使用。延べ床面積は621平方メートルと、同ブランドの路面店で世界最大規模になる。

 「ウィズコロナ」時代に対応した接客手法を取り入れながら、さまざまな仕掛けを導入。テーブル上の商品をピックアップすると、ディスプレーにその商品の詳細な情報が表示され、配布されたリストバンドをかざせば購入手続きもできる「デジタルテスター」、美容液やファンデーションを触れずに試せる「オートテスター」などを置いた。また、中に入ると瞑想(めいそう)体験ができるカプセル型の機器も用意した。

 ブランドの全商品を販売し、店舗限定の美容液も扱う。店舗と同様の体験ができるオンラインストアも開設した。

 資生堂の岡部義昭執行役員は「モノよりコトの提案を重視した」と話す。

 体験を前面に出した同様の店舗は、オルビスも17日に東京・表参道でセンサーやカメラを使った肌診断が体験できる「スキンケア・ラウンジ・バイ・オルビス」をオープン。ファンケルは7日に東京・銀座の旗艦店「ファンケル銀座スクエア」を改装オープンする計画だ。(井田通人)

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