日本生命保険は3日、東京・大手町のフィンテック拠点に、新規ビジネスの創出を担う部署「ニッポンライフX」のオフィスを開設した。新型コロナウイルスの感染拡大で新しい技術やアイデアへの投資の停滞が懸念される中、社外との交流に刺激を受けながら、新規ビジネスの創出や投資を加速していく考えだ。
日本生命が拠点を構えたのは、フィンテック関連の企業が集結する施設「フィノラボ」の一角。米シリコンバレー、北京、ロンドンと合わせた4極体制の主力拠点として、15人体制で運営する。同社イノベーション開発室の遠藤和宏担当課長は「事業の多角化を進めていかないといけない危機感と、新しいビジネスを生み出すワクワク感の両方の思いを胸に取り組みを加速していきたい」と語った。
同社は国内外のベンチャー企業への投資枠300億円のうち、これまでに7割強を執行した。
今年度は社員から、子育てやヘルスケアなどの領域で新規事業のアイデアを募るプロジェクトも開始。423件の応募があり、書類選考で20件が通った。年内に1~3件に絞り込み、来年度中の事業化を目指す。