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5Gスマホがコロナ禍で売れず 割安端末投入で販売仕切り直し

 携帯大手によるスマートフォンなどの端末販売が4~6月期に前年同期比1~3割減となった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う販売店での営業時間短縮などの影響を受け、落ち込みが鮮明になっている。3月に商用サービスが始まった第5世代(5G)移動通信システムでも出ばなをくじかれた形で、今後は割安な端末の投入などを進めて仕切り直す考えだ。

 4~6月期の販売台数はNTTドコモが前年同期比32%減の400万台、KDDI(au)が同23%減の150万台(個人向けのみ)、ソフトバンクが同8%減の182万台(サブブランド含む)。各社とも大幅な販売減を余儀なくされた。

 携帯大手3社は4~6月期に営業増益となるなど業績自体は堅調だ。だが、コロナ禍で打撃を受けた端末販売には危機感がにじむ。特に立ち上げ直後の5Gは「現行の4Gからの移行が予定通りに進まず、焦りを感じている」とKDDIの高橋誠社長は話す。

 苦戦の背景にはコロナ禍だけでなく、昨年10月に電気通信事業法が改正され、端末の大幅な値引きが規制された影響もある。5G端末は現在10万円を超える高額なものが多く、安価に販売できなくなったからだ。

 携帯大手にとって超高速大容量通信が可能になる5Gへのシフトは、1契約当たりの月間平均収入を高めて収益を確保するための鍵を握っており、端末販売の立て直しは急務となる。 「お手頃な端末を早期に出したい」(NTTドコモの吉沢和弘社長)。各社とも5Gでの巻き返しに向け、価格が5万~8万円と廉価な端末を投入し、消費者の取り込むを狙う。

 さらに今秋には米アップルが人気機種「iPhone(アイフォーン)」での5G対応を計画しているとされる。各社が推進するサービスエリアの拡大とともに端末の選択肢が大きく広がれば、5Gが一気に普及する可能性もある。

 5Gは、サービス開始後の3、4月にコロナ禍で実施を予定していたイベントがすべて中止となった。だが、各社とも「秋以降に再スタートする準備を進めている」(KDDI)とし、販促も本格化する見通しだ。(万福博之)

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