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牛久シャトー、日本遺産認定を好機に ワイン醸造を再開し観光資源化狙う

 明治時代に創業した国内最古の本格ワイナリーで、生産終了後は見学施設となっていた「牛久シャトー」(茨城県牛久市)が6月、文化庁の日本遺産に認定された。この機運にも乗り、シャトーは醸造再開に向け、レストランも開設。国産ワインの歴史と味わい両方を堪能できる施設として観光地化しようと、市を挙げた取り組みが進む。

 JR牛久駅近くの住宅街。時計塔がある城門をくぐり抜けると、フランスの醸造場に倣った赤れんが造りの建物が並ぶ。巨大な木たるをずらりと並べた旧発酵室や、瓶やたるが眠るひんやりした旧地下貯蔵、当時の醸造用具や宣伝ポスターなどが自由に見学できる。

 1903年、現在の愛知県西尾市出身の実業家神谷伝兵衛が仏・ボルドー地方のワイン生産技術を導入しようと、シャトーを開設。栽培や醸造、貯蔵や出荷といった工程を一貫して行う日本初の醸造場として発展した。

 ワインの製造は1世紀以上にわたったが、2018年、経営悪化から営業終了。約1000本の木で自社栽培を続けるブドウはその後、外部委託して醸造や瓶詰めにしている。

 一方、文化的価値の高い建物や資料を観光資源として生かそうと、牛久市は18年に日本遺産認定に向け活動開始。文化庁は今年「国産ブドウで醸造する和文化の結晶」として、牛久シャトーを含む、同市と山梨県甲州市が申請した文化財など約30点を日本遺産に認定した。

 シャトーの再建も同時に掲げ、牛久市は1月、第三セクターの運営会社を設立。会社の川口孝太郎代表は「コロナの逆風もあるが、日本ワインの歴史を継承する意味でも必ず復活させる。生産量は少なくても、100年以上続くワイナリーの伝統を感じられるお酒を造りたい」と力を込める。観光客の増加を見込みシャトー旧貯蔵庫をレストランにし、ワインに合う洋食や地元野菜を使ったメニューを提供。来夏に収穫する自社栽培のブドウでの醸造再開を目指し、準備を進めている。

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