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ビール大手4社の7月ビール類販売速報 業務用復調も厳しさ残る

 ビール大手4社の7月のビール類(ビール、発泡酒、第3のビール)販売動向が13日、出そろった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う外食自粛の動きが続いたことで、飲食店向けの業務用ビールの回復には遠く及ばず。巣ごもり需要の拡大で一部ブランドでは家庭用の缶商品が伸びたものの、市場全体としては前年実績を割り込んだ。

 業界推計によると、7月のビール類販売数量は前年同月比6%減で、ジャンル別ではビール15%減、発泡酒1%増、第3のビール4%増となったもようだ。今年は長雨によるマイナス影響があったが、昨年7月も気温低下という悪条件があったため、「天候自体の影響はほぼ変わらない。ビールの減少分はコロナ禍で業務用ビールの戻りが悪いためだ」(関係者)とみる向きが強い。

 ビール類合計での各社別はサッポロビール2%減▽キリンビール5%減▽サントリービール9%減で、販売金額ベースで開示するアサヒビールは6%減だった。業務用ビールはコロナ禍での外食自粛の影響が残っている。アサヒの主力「スーパードライ」の業務用(瓶・たる)は4月を底に復調中だが、いまだ約3割減と元には戻っていない。

 一方、巣ごもり需要の高まりの影響を受ける家庭用の缶商品では、ブランド別での“勝ち組”が出始めた。ビールではサッポロの「黒ラベル」が22%増、「エビスビール」が2%増と伸長、外食時に飲んでいた商品を家庭でも飲もうという消費者心理をつかんだようだ。アサヒの「スーパードライ」も2%増と前年越えした。

 また所得が減る中で、ビールに比べ価格が安い商品への人気は続く。第3のビールではキリン「本麒麟」が40%増、健康志向で好調な機能系の「金麦<糖質75%オフ>」も14%増と好調を維持。発泡酒でも「淡麗グリーンラベル」(キリン)や「スタイルフリー」(アサヒ)は伸長した。

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