新型コロナウイルス感染症対策として在宅勤務が進む中、同居する家族に気兼ねなく作業しようと、所有する自動車を仕事場にし、車内環境を充実させる動きが広まっている。Wi-Fi機能を備えたカーナビに注目が集まり、ハンドルにはめ込んで使う簡易テーブルなどの売れ行きも好調だ。車の利用方法の広がりに業界も期待を寄せる。
パイオニア(東京)が販売するカーナビの高機能機種「サイバーナビ」は、NTTドコモのインターネット接続サービスに市販カーナビとして初めて対応し、Wi-Fiを割安に利用できる。昨年11月の発売から今年3月までで、前モデルの前年同期の出荷台数と比べて32%増と伸長した。家族旅行などで通信容量を気にせず動画を見られることが売りだったが、車を仕事場にすることを兼ねた購入も増えている。
車用品大手オートバックスセブン(東京)によると、ハンドルにはめ込む簡易テーブルの売れ行きは、感染が拡大した今春以降、例年の2~3倍となった。車で取引先を回る営業マンが購入していたものが広く利用されるようになった。