▼FEP FEPは8月3日、大阪地裁から破産開始の決定を受けた。同社はIT関連ハード・ソフトの開発・販売を手掛け、国際戦略として中国製液晶モニターの輸入や中国進出企業のサポート事業にも注力していた。
近年は山梨県内に工場を新設し、自社ブランドの液晶テレビの扱いを増やし、13型から50型まで「メイド・イン・ジャパン」をうたい文句に大手家電量販店や病院、宿泊施設に販路を拡大。2019年5月期には売上高を95億5768万円に伸ばした。
しかし、業容拡大の一方で運転資金需要も膨張。外部資金への依存度が高まり、最近は売掛債権を担保に資金調達を重ねていた。また、18年頃からは粉飾決算や循環取引を指摘する声が増えていた。こうした中、ともに業容を拡大させていたイースター(横浜市中区)が19年末に連絡難に陥り、同時にFEPも資金繰りの逼迫(ひっぱく)を露呈。複数の企業との架空循環取引も発覚し、信用が失墜。債権者から破産が申し立てられた。
▼アクアマリン アクアマリンは8月3日、東京地裁から破産開始の決定を受けた。
「アイドルマスター」「Fate プリズマ☆イリヤ」シリーズなど有名アニメや「東方project」などキャラクターのフィギュアを中心に縫いぐるみ、キーホルダー、プラモデルなどを企画。デザインを自社で行い、大手ホビーメーカーや玩具小売業者へ営業基盤を築いた。さらに、「コミックマーケット」などのイベントへも出店し認知度を高め、自社ECサイトでも販売。2017年9月期には売上高約5億700万円を上げていた。
しかし、19年9月期に赤字を計上。今年に入り新型コロナウイルス感染拡大の影響で、生産拠点のある中国の工場の稼働が停止。納品ができなくなったほか、春以降も各種イベントの中止で商品を受注できず売り上げが立たなくなっていた。
【会社概要】FEP
▽本社=大阪市中央区
▽設立=1990年1月
▽資本金=5000万円
▽負債額=30億6010万円
【会社概要】アクアマリン
▽本社=東京都千代田区
▽設立=2011年10月
▽資本金=2800万円
▽負債額=約4億7000万円
〈チェックポイント〉
FEPの破綻は「不自然な業績拡大には注意せよ」という与信管理の定石が当てはまった。突然の事業停止で、以前から同社に向けられた疑惑が的中。金融機関から多額の資金を調達し、不適切な取引が発覚した。事業停止から約8カ月を経てようやく破産開始が下ったが、真相究明は端緒に就いたばかりだ。
アクアマリンはキャラクター業界で知名度があったが、生産拠点の中国での納品遅延、日本での販売機会のロスがダブルパンチとなった。新型コロナウイルスに起因した悪影響がさまざまな部分で表面化。業種や事業規模を問わず多くの企業が世界とつながっている時代、受けるダメージもより広範囲に作用している。(東京商工リサーチ常務情報本部長・友田信男)