現場の風

日産自動車 電動SUVの静かさ味わって

 日産自動車チーフ・ビークル・エンジニア 山本陽一さんに聞く

 --6月に発売したSUV「キックス」を、独自のハイブリッド技術「eパワー」仕様に絞った狙いは

 「eパワーは、エンジンを発電専用にして駆動は100%モーターという日産ならではの技術。『ノート』『セレナ』ではeパワーか通常のエンジン車かを選んでいただいたが、電気自動車(EV)のようにとても静かというeパワーの走行感覚を、より多くの方に味わっていただきたいということだ」

 --どんな工夫を凝らしたのか

 「エンジンの作動頻度を減らした。ノートはバッテリーを常に満充電にしようとエンジンをかけるが、これまでのeパワー搭載車約40万台のビッグデータから分析し、徹底的に磨き上げた。例えばノートが6回エンジンをかけていたところを、温度や路面環境、ドライバーのペダル傾向などから判断するキックスは1回というレベル。遮音素材などの性能もアップして静音性を大幅向上させており、EVの乗り心地にさらに近づけた」

 --eパワーは高速走行に課題があるともいわれるが

 「出力を20%向上し、力強さや加速性を上げた。能力的にはもっと出せるが、重心が高いSUVの骨格でも揺れずに気持ちよく走れるよう、あえて抑えている」

 --eパワー以外の売りは

 「高速道の渋滞時に楽に走れる運転支援技術『プロパイロット』を全車標準装備にしたほか、基本的な居住性や使い勝手も高い。荷室はクラスダントツの積載量。窓面積を広げ、見晴らしもナンバーワンを目指した」

 --生産をタイに絞り、日本には輸入する形となるが

 「アジアを中心にグローバルな展開を考えているためだ。過去、『マーチ』でもタイ生産を行っており、現地はレベルアップしている。日本到着後にも品質確認を行う。不具合を絶対に出さぬよう万全の体制を組んだ」

【プロフィル】山本陽一

 やまもと・よういち 東京農工大院修了。1987年入社。車両計画、車体設計の担当を経て、2013年から現職。東京都出身。

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