三菱UFJフィナンシャル・グループが新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化した企業への融資などに充てるため個人向け社債を発行することが21日、分かった。9月中に最大1500億円の資金調達を目指す。企業のほか、治療に当たる病院への資金繰り融資など幅広い分野へ資金を活用する。
1口100万円で、三菱UFJ銀行や証券会社の窓口で取り扱う。三菱UFJによると、新型コロナ対応を目的とした機関投資家向けの社債は多く発行されているが、個人向けは世界初という。償還期間は令和13年1月までの10年4カ月。8年1月までに三菱UFJの判断で期限前に償還できるタイプも出す。満期償還の社債は年0・7~1・1%、期限前償還できるものは当初約5年間0・4~0・8%を仮条件としており、9月11日に決定する。
経営破綻時の元金の返済順位が低い劣後債とし、利率を高めた。国債の長期金利が0%近い低水準で推移する中で、魅力的な投資商品として売り込みを図る。