テクノロジー

物質の起源に迫る新観測開始 スーパーカミオカンデ 

 東京大宇宙線研究所は21日、素粒子ニュートリノの観測装置「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)で新たな観測を開始したと発表した。これまで観測が難しかった太古の超新星爆発によって生じたニュートリノを捉え、宇宙の歴史や物質の起源の解明を目指す。

 観測するのは過去約70億年間に起きた超新星爆発で放出され、宇宙に蓄積された「超新星背景ニュートリノ」。ニッケルより重い元素を作ったとされる超新星爆発の仕組みを解き明かせば、元素の成り立ちが分かる可能性がある。7~8年で世界初の観測を目指す。

 従来は地球の近くで起きた比較的新しい爆発しか捉えられなかったため、性能向上の改修工事を進めていた。装置を満たす5万トンの純水にレアアース(希土類)のガドリニウムを溶かし、太古の爆発で生じたニュートリノが届いた際に生じる特徴的で微弱な光を検出できるようにした。

 観測チームの中畑雅行教授は「超新星爆発という身の回りの物質を作った根源を探求したい」と話す。前身の装置であるカミオカンデは超新星爆発に伴うニュートリノを世界で初めて検出し、小柴昌俊氏のノーベル賞受賞につながった。

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