経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は28日、シャープなどに石川県の白山工場を売却する最終契約を結んだと発表した。契約済みの分と合わせ、売却額は計6億7500万ドル(約720億円)となる。シャープには土地や建物を3億9千万ドルで譲渡する。関係者によると、ほかの売却先はJDIの主要顧客である米アップル。
JDIは過剰な生産設備を処分して効率化を進め、経営再建を目指す。収入は白山工場の建設のためアップルから借りた前受け金の残高7億250万ドルの返済に充てる。
白山工場はアップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」向けに液晶パネルを生産するJDIの主力工場の一つ。アップルが建設資金の大半を拠出し、返済が重荷になっていた。
2016年末に操業を開始したが、アップルがスマホの高級機で有機ELパネルの採用を進めたため、稼働が低迷。昨年7月から生産を停止し、昨年末から競合相手のシャープなどへの売却交渉を本格化させていた。