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災害時の避難所、コロナ感染を想定 富士通など4者が業務運営実験

 東北大学災害科学国際研究所、東京大学地震研究所、富士通、川崎市の4者は31日、新型コロナウイルス禍での自然災害を想定した避難所運営の実証実験を川崎市川崎区で実施する。4者は2017年から「川崎臨海部におけるICT活用による津波被害軽減に向けた共同プロジェクト」を進めており、今回の実証実験はその一環。

 実証実験は川崎市の小学校で実施、約60人が参加する予定。川崎市が策定した新型コロナウイルス感染症マニュアルに沿って、川崎市職員が避難所の開設から避難者の受付までを行い、感染リスクを考慮した人流シミュレーションによる避難所運営計画の検討と、避難完了者数をカウントするAI(人工知能)の有効性を評価する。避難所での実際の業務を体感することで避難所運営要員の対応能力向上を図る。

 このうち人流シミュレーションによる避難所運営計画の検討では、東北大学災害科学国際研究所、東京大学地震研究所と富士通研究所が開発した技術を利用する。この技術は、さまざまな状況下での人の流れを再現することができ、今回はさらに新型コロナウイルス感染症への感染リスク評価機能を組み込み、人の流れの違いによる感染リスクの変化をシミュレーションできるようにした。

 今回は避難者の中に新型コロナウイルス感染者がいると仮定。感染者のソーシャルディスタンス(社会的距離)内に一定期間以上とどまった人を接触者と見なして、人の流れと合わせて、感染がどのように広がるのかを予測する。

 実証実験では、この技術を用いて、コロナ禍における避難所運営計画をシミュレーションする。例えば、避難所受付の設置数や受付要員数の違いといった避難所運営の相違に応じて変化する感染リスクを評価。その中から、状況に応じた適切な避難所運営の実施計画を検討する。

 一方、避難完了者数のカウントについては、富士通のAI画像解析ソリューションを利用する。このソリューションでは、避難所入り口付近に設置したカメラの映像から、マスク着用の有無にかかわらず個人を特定しない範囲で避難者の数や属性情報を収集できるため、リアルタイムに避難所の混雑状況を可視化できる。計測した避難者の情報を災害対策本部にリアルタイムに集約することで、避難状況の的確な把握に向けた有効性を評価する。(インプレスウオッチ)

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