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キリンビール、果物と野菜を使った特製カクテル

 キリンビールは31日、果物と野菜の搾り汁を原材料に使ったアルコール飲料の新商品「キリン ベジバル フルーツ&ベジの特製カクテル」(ベジバル)3商品を9月15日に発売すると発表した。「開けてすぐ飲める」を意味する英語の頭文字から「RTD」と呼ばれる缶酎ハイなどの国内市場は手ごろな価格で人気を集めているが、キリンはコロナ禍の中で健康を意識した商品選択が強まっているとみており、同社初の野菜を用いたRTDで高付加価値を訴求し、高価格帯RTDの創出を狙う。

 ベジバルは繊維感を残した果汁と野菜汁にアルコールを加えた商品で、アルコール度数は4%。味わいはオレンジやマンゴー、ニンジンを入れてフルーティーな味わいの「オレンジmix(ミックス)」、トマトにリンゴやアセロラを加えた甘酸っぱさが特徴の「レッドmix」、ブドウやキウイフルーツの果汁にケールや小松菜などを入れた「グリーンmix」の3種類で、一般的なチューハイなどと比べて粘度が高いため250ミリリットルのボトル缶を採用した。参考小売価格は229円で、同社のRTD主力商品「氷結」ブランドの156円(350ミリリットル缶)よりも高価格となる見込みだ。ターゲット層は30~50代で、今年の販売目標は約28万ケース(250ミリリットル缶24本換算)。

 リキュールなどを用いるRTDは酒税が低い分だけ価格が安いことに加え、度数9%の高アルコール飲料やレモンンサワーブームなどもあって市場は伸長中で、キリンは令和8年の市場規模は元年比1・4倍になると見込む。競合が多く価格競争も激しいことから、収益性確保に向けて、ビールを生産する仙台工場(仙台市)に75億円を投じてRTD製造ライン新設を決定、令和4年には生産能力増強と輸送コスト削減を図る計画だ。

 一方で、原材料がわかりにくいRTDを買わない人も一定程度いる中で、新型コロナウイルス感染拡大で健康意識が喚起されたと分析。31日の商品発表会で、キリンビール常務執行役員の山形光晴マーケティング部長は「コロナ禍以前から(体を気遣いたいという)健康へのニーズは大きな潮流で、商品の原材料への関心が高まっている」と自信を見せる。今回の商品投入を機に、RTD市場に新たな価値を付加した収益性の高い商品投入も進める考えを示した。

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