メーカー

なぜ伊藤園は「ステルス値下げ」ともいえる麦茶の増量を繰り返しているのか (1/2ページ)

 伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」の内容量が増え続けている。1996年の発売時は500ミリリットルだったが、この10年で170ミリリットルも増え、現在は670ミリリットルになっている。ネット上では「どこまで増えるのか」と心配する声もある。伊藤園に事情を聞いた。

 発売当初より価格は安くなり、容量は大きくなっている

 「伊藤園のペットボトルの麦茶の量が年々増えている気がする」「同じ価格で量が減っている商品が目立つのに、伊藤園の麦茶は量が増えていてすごい」--。SNSではこのような書き込みをよく見かける。

 たしかに伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶」シリーズは、発売から10年の間に4回の増量を行っている。

 コンビニやスーパーマーケットなどの小売店・量販店で販売される500~600ミリリットル台のペットボトルは、1996年に「お~いお茶 むぎ茶」という商品名で発売された。そこから、2010年には「天然ミネラルむぎ茶」の名前で600ミリリットルを、12年に現在のブランド名に変更して630ミリリットル、その後15年に650ミリリットル、16年に670ミリリットルを発売している。

 現在は500ミリリットルと630ミリリットルのタイプは生産終了し、600ミリリットル、650ミリリットル、670ミリリットルの3種が販売されている。

 ハイペースに増量を繰り返す様子について、ツイッターでは「麦茶で世界が埋め尽くされる」「2030年頃には1.5Lくらい」といった投稿すら見かける。

 「健康ミネラルむぎ茶」は、中容量のいずれの製品も発売当時の希望小売価格は税抜き140円であるため、価格は実質的に下がり続けていることになる。また600ミリリットルと650ミリリットルの現在の価格は税抜き130円であり、発売時より安くなっている。さまざまな商品が価格そのままでサイズや容量を小さくする「ステルス値上げ」をする中で、価格据え置きで増量しているわけだ。

 「一口で200ml程をゴクゴクと飲む方が多くいた」

 さらに興味深いことに、容量が増えているだけでなく、商品のバリエーションも増えている。

 「健康ミネラルむぎ茶」のラインアップを整理すると、ペットボトルは現在10種類。中容量の3種以外に、大きいほうから2リットル、通常ボトルの1リットル、スリムボトルの1リットル、冷凍用の485ミリリットル、350ミリリットル、280ミリリットル、ホット用で季節限定の275ミリリットルがある。このほかに缶製品は480gと190g、希釈用の180gの3種類あり、紙パックは250ミリリットルと子供用の125ミリリットルの2種類がある。

 これらに加えて、ティーバッグや粉末タイプの製品もある。また2019年には「健康ミネラル麦茶 5種の健康麦 すっきりブレンド」というラインを追加し、こちらは650ミリリットルと280ミリリットルのペットボトル2種類がある。

 容量が増え続けていることについて、伊藤園の相澤治マーケティング本部麦茶・紅茶ブランドグループブランドマネジャーは「お客様から『こういったタイプの製品が欲しい』というご要望をいただき、それにお応えするうちに量が増えてきました」と説明する。

 「過去に街頭で行った調査では、一口で200ミリリットル程をゴクゴクと飲む方が多くいらっしゃったんです。水だとこんなに飲めないのですが、麦茶にはある程度の甘みと香りがあって、すっと入ります」(相澤氏、以下同)

 こういった特徴が、消費者がより多くの量を求める理由になっているようだ。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus