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車体部品の重量半減へ 日産が量産新技術、EV軽量化に貢献

 日産自動車は3日、車体部品を金属など従来に比べて約50%軽量化できる、炭素繊維を使ったプラスチックの量産化技術を開発したと発表した。電気自動車(EV)をはじめ電動化の進展で、バッテリーなどによる重量化と高コスト化が避けられないなか、これらを緩和していく効果が期待される。日産はさらに改良を加えて4~5年後の発売車両で実用化し、将来は量販車種にも適用する考え。

 開発したのは、カーボンを樹脂で固めた「炭素繊維強化プラスチック」(CFRP)部品の量産化技術。CFRP製の車体部品は現在も使われてはいるが、固まり方にムラがあるなど品質維持に手間がかかり、製造に3~4時間必要なため、スポーツタイプの車など一部に限られている。

 これに対し日産は、樹脂が固まるまでの動きなどを精密に分析して数値化し、製作前にシミュレーションできるモデルを開発。強度など品質を向上させた。また、成形技術の工夫で製造時間を約2分間にまで短縮させ、コストを大幅に抑えるメドも立ったという。

 オンライン説明会で坂本秀行副社長は「電動化を進めるにはパワーユニット開発だけでは限界があり、『軽量化』の価値が見直されている。今回の技術は成果と効果が期待できる」と強調した。

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