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中韓に負かされても復活した日本の電機メーカー 日立製作所の明暗分けたのは (2/2ページ)

 稼ぐ力を強化

 リーマン・ショックのあおりを受け、最終赤字7873億円を計上した09年3月期から11年。深刻な経営危機に陥った日立は痛みを伴う構造改革を進めて復活した。赤字だった半導体や薄型テレビ、液晶・プラズマパネルなどから撤退する一方、競争力があると判断した上場5会社は完全子会社化することで利益を取り込んだ。かつて10兆円を超えていた売上高は20年3月期で8兆7672億円に減少したが、売上高営業利益率は直近3年間は7.5%超。安定して利益を出せる企業に変貌した。

 16年に就任した東原社長も改革路線を継承。事業再編の基準は、将来的に世界で戦えるかどうか。09年3月期に22社あった上場子会社は現在2社。東原社長は「残る日立金属や日立建機も、21年までの中期経営計画の間に世界で戦える事業となるための方向性を決める」と話す。

 事業ポートフォリオの組み換えはグループ会社に刺激を与え、成長の大きな原動力となっている。グループ企業の役員の一人は「利益を出していても本体の方向性と違うと、売却される可能性もあり、緊張感がある」と胸の内を明かす。

 着実に成果が出ていた構造改革だが、今年に入りコロナ禍という逆風が吹く。世界的な景気減速で21年3月期は減収減益を見込んでおり、東原社長は「リーマンよりも経済的な影響は大きい」と厳しい見方を示す。

 ただ、東原社長は現在の状況を悲観していない。コロナの感染拡大で生活や仕事のスタイルの変化が求められている中で、「『リモート』『非接触』『自動化』の3つのキーワードを軸に社会イノベーション事業で課題を解決し、成長を継続させたい」と新たなビジネスチャンスとも捉えている。

 「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」。創業時から掲げられる日立の企業理念だ。東原社長は今後も「『社会に貢献する』というミッションは変わることはない」と強調する。現在の世界的な危機の中で、長年にわたって蓄積してきた技術をどう生かし、貢献していくのか。変貌した日立の真価が問われる。(経済本部 黄金崎元)

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