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「スマートビル」で働き方刷新 ソフトバンク新本社、AI・IoTで混雑回避

 ソフトバンクは9日、14日から順次移転する東京・竹芝の新本社ビルを公開した。新社屋は人工知能(AI)やあらゆるモノがインターネットにつながるIoT技術を駆使し、混雑しないオフィスやエレベーターなどを実現するスマートビルだ。新型コロナウイルスの感染拡大で新たな日常への対応が迫られる中、働き方やオフィスの在り方を一変させる可能性がある。

 入り口は「顔パス」

 「出勤時間が午前8時30分だと入り口は混雑。8時頃だと混雑度が下がります」。通勤前にスマートフォンをのぞくと、アプリ上で提案があり、混雑しない時間帯を選んで出勤できる。会社に到着し、入り口の顔認証でゲートを通れば、エレベーターを操作しなくても自分のフロアまで自動的に運んでくれる。ソフトバンクの新本社ではこうしたストレスフリーな環境で効率の良い働き方ができるという。

 技術の肝は屋内外に約1000個取り付けられたAIカメラやセンサーだ。これらがビル内やビル周辺の人の動きである「人流データ」や混雑情報などをソフトバンクのIoT基盤に集積し、オフィスの混雑回避などに活用する仕組みとなっている。

 入り口、エレベーター、トイレ、飲食店などの混雑状況や混雑予測は、アプリやビル内に設置されたデジタルサイネージ(電子看板)を通じて随時配信される。また、データはビル管理などにも活用され、不審者や異常な行動をとる人をカメラで検知して、近くにいる警備員に通知したりもできる。

 オフィスも重要視

 「非常に生産性が上がるビルで、イノベーションに期待している」。ソフトバンクの宮内謙社長は9日の記者会見で語った。コロナ禍で在宅勤務が進んでいるが、一方でさまざまな部門の社員が直接連携を取り合える場としてのオフィスも重要視する。自由に席を選べるフリーアドレスやコアタイムを設けないフレックスタイムの導入など制度面の工夫と合わせ、先進技術で働きやすい環境を整えることで、生産性を高めようとしている。

 ソフトバンクは新本社でスマートビルを自ら試すだけでなく、今後は他社の社員がいつでも訪問できるショールームのようにして、IoT基盤やセンサー、通信などを組み合わせたビルの仕組みを積極的に外販していきたい考えだ。携帯電話の料金値下げ圧力が強まる中、成長余地が大きい法人向けのシステム提供を新たな収益源に育てていく。(万福博之)

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