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千葉工業大学 研究とは“知”の流れを生み出すこと

 千葉工業大学学長・松井孝典さん(74)

 --6月末に千葉工業大学の学長に就任した

 「私が千葉工大に来てから11年になる。まず惑星探査研究センターを作り、人材を集めて研究を始めた。小惑星探査機『はやぶさ2』に搭載された観測機器開発の多くにも参画した。いまでは、日本の惑星探査は千葉工大がかかわらないとできないほどになった。こうした成果もあり、この11年で大学の社会的存在感は非常に大きくなっている。今後もこうした研究を続けるとともに、この成果を教育により積極的に活用していきたい」

 --教育をどう変えていくのか

 「大学教育にはカリキュラムがある。これらに研究で得られた成果などを付加していく。大学には“知”の流れを生み出すとともに社会に還元していくことが求められる。研究とはまさにこの“知”の流れを生み出すこと。それは研究成果であり、これらを教育に付加していくことで学生を育て、社会にも還元していくことになる。ただ、細分化された工学の一分野にとらわれてはいけない。より俯瞰(ふかん)的な視野、理学的な考え方が必要となるだろう」

 --その取り組みで地球学研究センターを設立した

 「千葉工大の建学の精神は『世界文化に技術で貢献する』というものだ。そのためには今後の人間の生き方を見いだし、未来の文明をデザインする必要がある。ベースとなるのは俯瞰的視野に根差した“知”の体系であり、これはまさに“地球学”と重なるものだ。地球学研究センターでは、文明の起源を探るとともに、そこで得た成果としての“知”に基づいて文明のデザインを考えたい。そういったビジョンやデザインがあってこそ、技術革新は大きな意味を持つ。と同時に、そうした成果を生かし、幅広い教養を持ち未来をデザインできる人材を育成していきたいと考えている」

【プロフィル】松井孝典

 まつい・たかふみ 東大大学院理学系研究科地球物理学専攻博士課程修了。東大大学院理学系研究科助教授、新領域創成科学研究科教授(理学系研究科兼担)を経て、2009年千葉工業大学惑星探査研究センター所長。常務理事などを経て20年6月から学長。内閣府宇宙政策委員会委員長代理も務める。専門は地球物理学、比較惑星学、アストロバイオロジー、文明論。静岡県出身。

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