国立公園・大山の観光名所の一つ、桝水(ますみず)高原(鳥取県伯耆町)周辺で広範囲にナラ枯れが確認され、県は今月中にも緊急の伐倒駆除を始める。紅葉シーズンを控え大山環状道路沿線で集中的に実施し、景観保全を図る。
ナラ枯れは害虫のカシノナガキクイムシがナラ菌を媒介するのが原因。大山では平成25年度以降、山の東側から順次被害が確認されており、ピークの29年度には9000本以上が枯死した。県は25年度以降、伐倒駆除のほか、予防策として虫を捕獲するカシナガトラップによる対策などを講じている。
伐倒駆除は通常、紅葉の観光シーズンが終わったあとに実施しているが、今年は8月の猛暑の影響もあり、被害の確認が早かったため、紅葉シーズンの前にも実施することにした。観光ルートとなっている大山環状道路を中心に、観光客の目にふれることが多い場所を対象に10月上旬ごろまで実施。紅葉シーズンの休止をはさんで、11月中旬ごろから再開する。
県は今年度の当初予算に総額7100万円の事業費を盛り込んでいたが、伐倒駆除の前倒し実施に伴い972万円の補正予算を計上。9月議会に提案する。