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ブリヂストンに仏が猛反発 工場閉鎖方針「信頼裏切った」

 ブリヂストンがフランス北部のタイヤ工場を来年以降閉鎖する方針を発表し、同国内に大きな波紋を広げた。新型コロナウイルスによる危機で雇用不安が深まる中、メディアは大々的に報道。経済再建を図る政府や地元は「裏切りだ」などと猛反発し、政治問題に発展した。

 報道によると16日朝、北部ベチューン工場で勤務中の従業員は、閉鎖の発表を工場のスクリーンで知った。ニュースを見た妻から知らされた勤務時間外の従業員もいたという。53歳のダビドさんはルモンド紙に「人員削減の恐れはあったが、誰も閉鎖は考えてなかった。大虐殺だ」と語った。

 同工場は1961年に操業を開始し、16日時点の従業員は863人。地元に数千人の関連雇用を生んでいるとされる。ブリヂストンは閉鎖の理由について、同工場が主に製造している小型車用タイヤが欧州で供給過剰状態にあり、競争力を維持しながらの操業継続が困難なためと説明する。

 ベチューンは旧炭鉱地帯にある。炭鉱閉鎖後の産業活性化が課題で、マリーヌ・ルペン党首の極右政党、国民連合(RN)が勢力を拡大してきた地域だ。さらにコロナ危機で、マクロン政権は雇用問題への取り組みが「最優先」。政府と地元は即座に閉鎖に反対する声明を発表し、アタル政府報道官は「信頼を裏切った」と非難した。

 フィガロ紙などによると、ブリヂストンは昨年11月末、ルメール経済・財務相らに対し、工場閉鎖の計画はないと明言していたとされる。

 政府は閉鎖以外の選択肢を検討するよう求めて関与する姿勢を強調し、マクロン大統領も18日「政府は地元議員らと闘う」と発言。ボルヌ労相らが21日に現地入りする。

 ブリヂストンは多額の税控除や地元地域圏の補助金も受けてきたとされ、地域圏のグザビエ・ベルトラン議長は閉鎖撤回なら投資を支援するが、断行するなら「手続きをめぐり何年もの塹壕(ざんごう)戦」になると訴えた。(パリ 共同)

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