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「人出データ」地域活性化の鍵 携帯情報把握、「密」を避け観光や買い物

 新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ地域の観光や経済を立て直そうと、携帯電話の情報を基に混雑状況を把握する「人出データ」を活用する動きが広がっている。これまで外出自粛要請の達成度などを検証するツールとして主に使われてきたが、コロナ収束が見通せない中、混雑を避けて観光や買い物ができるよう外出と感染対策を両立させる切り札として、地域経済の活性化を図る。

 NTTデータはIT企業のウネリー(東京)と提携し、全国約3万店のスーパーなどの曜日や時間帯別の混雑度を調べられるアプリ「おでかけ混雑マップ」を6月から提供。全国の観光地などでも、こうしたデータを再起につなげようとする動きが出ている。

 横浜中華街発展会協同組合は、各店舗の混雑具合をリアルタイムで確認できるサービスを近く導入する。スマートフォンの位置情報から人出の分析を手掛けるクロスロケーションズ(東京)と連携し、来訪者の性別や年代に応じて興味のありそうなイベントの告知や広告を配信することも検討している。

 中華街の現在の人出は例年の約4割にとどまっており、同組合の石河陽一郎専務理事は「感染対策を街全体で整えて経済を復活させたい」と強調する。

 自治体向けにも、ヤフーが人出データなどを見られるサービスを47都道府県庁と20政令指定都市を対象に無償提供。これまで外出自粛の状況を把握したり、人が集まる場所を予測して感染対策を講じたりするのに使われてきたが、ヤフーの担当者は「観光施策に使いたいという自治体も出てきている」と話す。

 ソフトバンク子会社のAgoop(アグープ、東京)は、石川県輪島市のお盆の時期の人出を検証した。昨年より県外からの客は大幅に減ったが、金沢市など県内からの流入が大きく増加。「東京や大阪など遠方の大都市圏からの観光客流入に頼らず、感染拡大抑止と地産地消の経済回復が両立できている良い例になっている」と分析しており、他の自治体でも観光復活に向けたデータ活用の参考になりそうだ。

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【用語解説】人出データ

 携帯電話の情報を基に特定の場所にいる人数の推移などが分かるデータで、携帯会社やIT企業が提供している。NTTドコモは基地局のエリア内にある携帯電話の台数で人数を推計し、契約者情報から年代や性別などの属性を割り出している。KDDI(au)やソフトバンク子会社、ヤフーは同意を得たアプリ利用者などから衛星利用測位システム(GPS)で位置情報を取得している。いずれも統計処理されており個人の特定はできない。

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