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北京モーターショー開幕 脱ガソリン加速、EV出展競う

 世界でガソリン車などの販売を禁じる「脱化石燃料」の流れが加速している。米カリフォルニア州がガソリン車などの新規販売を2035年までに禁じる方針を打ち出すなど、環境対策を重視する欧米各国で同様の動きが相次ぐ。世界最大の自動車市場である中国でも電気自動車(EV)の普及が加速しており、26日に開幕した北京国際モーターショーでも新型EVが出展を競う。日本の自動車メーカーも対応を本格化させている。

 欧米で続々義務化

 「気候変動と戦う上で、州が取ることができる最も影響力のある措置だ」

 カリフォルニア州のニューソム知事は23日に発表した声明でこう強調した。この日、ガソリン車やディーゼル車の新車販売を35年までに事実上禁じる行政命令に署名。同州で売られる新車の乗用車は排ガスを出さないゼロエミッション車とすることが義務化される。

 これは決して突出した動きではない。欧米メディアによると、フランスは40年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する計画。英国も35年までに同様の計画を進めるが、ガソリンと電気を併用するハイブリッド車(HV)も禁止対象という厳しい内容だ。各国政府は環境性能に優れたEVなどへの切り替えを積極的に後押しする。

 中国もここ数年、補助金支給を通じ、EVなど新エネルギー車の普及を進めてきた。今月22日には習近平国家主席が国連総会の場で、60年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を表明。具体策は明らかにしていないが、EV普及のテコ入れが図られるとの観測もある。

 これまで環境対応車の展開をHV中心で進めてきた日本メーカーもEVに本腰を入れ始めた。もともと日本メーカーは「脱化石燃料」への最適解はEVだけではないとの考え方をとっている。EVは走行中こそCO2を排出しない一方、EVに使われる電気が化石燃料を使う発電方式で作られるなら、全体としてみればガソリン車よりCO2を多く排出しかねないという理屈だ。

 このため日本勢はEVに特化せず、エンジンとバッテリーの組み合わせ方を工夫した多様なHVを含め、電動車の“ベストミックス”を探っている。

 それでも今回の北京モーターショーでは、海外におけるEVの普及加速をにらみ、日産自動車が25年までに中国市場でEVなどの9モデルを投入する計画を発表。ホンダも中国で開発中の同社ブランドのEVについて、世界展開を視野に入れると明らかにした。

 日本市場も変化

 日本市場にも潮流の変化がみられる。ホンダが10月末、近未来的な小型EV「Honda e(ホンダイー)」を発売。マツダはスポーツ用多目的車(SUV)型の「MX-30」のEVタイプを年度内にもリース販売する。トヨタ自動車は、軽自動車より小さく航続距離は約100キロという超小型EVを今冬にも発売する計画だ。

 自動車メーカーを取り巻く環境は激変が見込まれる一方、政策頼みではEV市場の成長はおぼつかない。中国では昨年、政府が補助金を大幅に削減したことで、同年の新エネルギー車の販売が前年比4%減とマイナス成長に落ち込んだ。さらに新型コロナウイルスの影響も受け、資金繰りが苦しくなった新興EVメーカーの苦境も相次ぎ報じられている。(今村義丈、北京 三塚聖平)

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