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AIスピーカーの活用広がる 認知症予防・障害者の情報支援に貢献

 お年寄りや障害者の生活支援に、人工知能(AI)を搭載した「スマートスピーカー」を活用する取り組みが広がっている。スピーカーに話し掛けるだけで家電が操作でき、天気予報や行政などの情報も得られ、体が不自由な人には便利。見守り機能のほか、認知症予防につながる可能性も指摘されており、注目が集まっている。

 「アレクサ、おはよう」-。山形県川西町の遠藤勝則さん(63)は毎朝、マイクを内蔵したAIスピーカーに向かってあいさつし、天気やニュースを尋ねるのが日課だ。「細かい地域の天気や、今日は何の日かも教えてくれるので便利」と満足そうだ。

 川西町吉島地区で住民の生活支援や交流活動を手掛けるNPO法人「きらりよしじまネットワーク」は昨年10月、高齢者約20人にテレビ電話機能が付いたAIスピーカーを配布した。

 会話が少ない独り暮らしの場合、話すことで認知症予防が期待できる。テレビ電話で遠隔地から家族が安否確認することも可能だ。新型コロナウイルス感染防止のため直接会えなくても、離れた場所にいる友人とつながることもできる。

 農業を営む山田雄幸さん(73)は「災害時にスピーカーから避難情報が流れてくれると助かる。近所同士の呼び掛けにも使いたい」と話す。冬は雪深くて外出が大変なため「画面を通してお医者さんに診てもらえたらうれしい」と期待する。

 同ネットワークの高橋由和事務局長(60)は「スピーカーを通して看護指導ができれば看護師の負担が減り、患者の異変にも早く気付くことができる」と指摘。今後は車の送迎依頼や食事の注文が簡単にできるようにしたいと話した。

 一方、AIスピーカーは、身体障害や視覚障害のある人に便利な機器だが、発声が困難な人に活用する実証実験が始まっている。宮崎県立清武せいりゅう支援学校(宮崎市)では昨年、体を自由に動かせず会話も困難な女子生徒(18)が、やってほしいことを文字で入力し、読み上げ機能を使ってAIスピーカーに伝える実験を行った。同校教諭は「将来、独り暮らしをしたときに、カーテンを開けてもらうことなど本人に代わってしてくれるような道具になってほしい」と話した。

 日本福祉大の渡辺崇史教授(福祉工学)は「コロナの影響で人と会わなくなり自宅で独りになるお年寄りが多い。社会とのつながりを続けるのに便利で、ヘルパーがいなくても自力で生活する際に役立つ」と話した。

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