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「空き家問題」多様に解決 適切な業者紹介、見守り…他業種も参入の動き

 空き家問題を解決するためのビジネスが多彩になっている。最後の手段として解体を選んだ際、インターネットで複数の業者の見積もりを提供し、知識の乏しいオーナーを助けてくれるサービスが登場。地域密着のガス会社が空き家の見守り事業に参入する動きもある。

 「家の解体費用はいくらかかるのか見当も付かなかったけれど、このサービスは3社の見積もりをすぐに送ってくれて助かりました」。大分市で農業を営む70代の男性は今春、自宅の隣にあった築100年を超える空き家を解体した。

 利用したのはクラッソーネ(名古屋市)という会社が運営するネットサービス「くらそうね」。建物の大きさや構造などの条件を入力すると、見積もりや工事の実績、口コミなどが届く。

 男性が生まれ育った家だが約20年間空き家になっており、「台風で瓦が飛ぶなどして近所に迷惑をかけては大変」と解体を決意。「工事を頼んだ業者は、近所へのあいさつやゴミの片づけなどきちっとやってくれ、とても満足です」と話す。

 「くらそうね」は全国約1000社の専門工事会社の情報を蓄積。人工知能(AI)などを使って条件に合った業者を選ぶ。今年4月にサービスを開始し、利用実績は1万件を超えた。川口哲平社長は「解体費用は建物や周囲の状況などによって価格差が大きく、一般の人には分かりにくい。安心して工事を頼める仕組みをつくるのが狙い」と話す。

 東京ガスが昨年秋に始めたサービス「実家のお守り」は、空き家を月に1回スタッフが点検し、窓を開けて換気をしたり庭の草木の確認や郵便物を回収したりしてくれる。家事代行サービスの「カジタク」と提携し、東京ガスの契約者でなくても利用できる。料金は1回9900円。

 千葉市の50代の男性は、1人暮らしだった父親が介護施設に入所したのを機にサービスを利用。「住宅街の中で、庭や塀の周りに雑草が生えると目立つ。通風もしてくれるので助かります」と言う。

 現在は首都圏のみのサービスだが、将来は全国に対象地域を広げる計画。担当者は「エネルギー以外の分野でも、暮らしの困り事を解決するための事業を広げていきたい」としている。

 総務省の調査では2018年10月時点の全国の空き家は846万戸に上る。

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