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リニア問題 静岡副知事「着工にはかなりの時間」 

 リニア中央新幹線工事の静岡工区の未着工問題をめぐり、静岡県中央新幹線対策本部長を務める難波喬司副知事が5日までに、単独インタビューに応じた。難波氏は水問題の議論は折り返しをすぎたものの、生態系の議論が進んでおらず、着工にはかなりの時間を要するとの見通しを示した。主なやり取りは次の通り。

 --JR東海と県との議論が暗礁に乗り上げ、落としどころが見えない

 「県は(南アルプスの環境への)影響がないようにしてほしい、影響がないことを分かりやすく説明してほしいとJR東海に提案している。JR側がきちんと説明すればそれで終わる話だが、今の説明では科学的根拠が分からない。JR側がきちんと説明しない限り、こちらは何とも言いようがない」

 --湧水が流出しても容認できる許容範囲はあるのか

 「今はトンネル湧水の全量を大井川に戻せと言っているが、一滴も漏らすなとゼロリスクを求めるのは無理な話。どこかの段階では一定程度のリスクはやむを得ないということになるだろう。しかし、それはもっと議論が詰まってからの話。トンネルを掘ったら南アルプスから水が全部抜けて環境が完全に変わってしまった、ということでは済まない。私たちは影響を最小限にしてほしいと言っているだけだ」

 --静岡工区の着工遅れは2027年の開業予定を見据えて周辺開発を進める沿線自治体に影響を与えている

 「その責任を県に求めるのはおかしい。事業者がきちんと対応すればいいだけで、できないことではない。沿線都県には今何が起こっているのか、きちんと見てもらい、県がむちゃを言っているわけではないと分かってほしい」

 --静岡工区の着工までどのくらい時間がかかるのか

 「私自身は水資源についてはある程度議論は進んだと思っている。相手方(JR)がきちんと説明すれば1年もかからない。生態系は調査しないと答えが出せないので、調査してほしいとJR側に警告しているが、一向に資料が出ないので協力も提案もしようがない。水問題がクリアになっても生態系があるので、次には進めない」

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