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お蔵入り企画生かして起業 パナ発ベンチャー 休職社員が商品化

 パナソニック発のベンチャー企業「ミツバチプロダクツ」(東京都港区)がチョコレートドリンクの製造機を手掛けている。考案したのはパナの家電営業出身の浦はつみ社長(46)。量産向けではないため社内での商品化は見送られたが、お蔵入りしたアイデアを事業化する支援会社の出資を受けて2018年に休職し、起業した。

 「一番のおすすめは日本酒」。京都市中京区の洋菓子店「アサンブラージュ カキモト」のパティシエ垣本晃宏さん(50)は、併設するカフェでチョコドリンクに少量のお酒を足したメニューを提供している。使うのはミツバチ社の製品だ。

 カップにチョコと牛乳を入れてノズルの下にセットし、ボタンを押すと高温スチームが噴射され約30秒で出来上がり。「手間がかかるからやってなかったが、これならカプチーノみたいな感覚で作れる」と満足げだ。

 ノズル内部の羽根でチョコをかき混ぜ、同時に溶かす作業を行うことで加熱時間を抑え、カカオの風味を逃さない。浦社長は「誰でも簡単に作りたてを提供できる。紅茶やほうじ茶と混ぜてもおいしい」と性能をアピールする。

 量販店の店員に実演販売の手法を伝授するなどやり手の営業だった浦社長。商品企画の部署に異動し、アイデアが採用されずもんもんとした日々を過ごしていた中、18年にパナソニックなどが出資するスタートアップ(新興企業)支援会社「ビーエッジ」(東京都港区)が立ち上がり、ミツバチ社への出資を決めた。

 開発はパナソニックがかつて出していたエスプレッソマシンをベースに、ミツバチ社に出向した調理家電の技術者が担当。米アップルの元デザイナーに依頼し、高級感のある外観に仕上げた。詳細な設計は外部企業に委託し、約半年で製品化にこぎつけた。

 昨年3月の発売以降、広島市のマツダスタジアムを含む計45店に導入。今年9月からは製造機の貸与とチョコレートの定期配達、レシピ相談や保守を組み合わせた定額サービスを始めた。「身近なお店からチョコレートを飲む習慣を広めたい」と浦社長。将来は、一般消費者向けに製品の展開を目指す考えだ。

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