マツダは8日、新型のスポーツ用多目的車(SUV)「MX-30」のハイブリッドモデルを発売した。来年1月には同社初となる電気自動車(EV)モデルも発売する予定だ。また、ロータリーエンジンを発電機とする電動車を2022年前半から市場に順次投入すると明らかにした。マツダはロータリーEVを成長の起爆剤にしたい考えだが、国や地域の特性や発電構成などに応じて動力源を選ぶ戦略を進める。
新型SUVは前後のドアを観音開きとし、開口部を広く取った。ドアの開口角度を大きくしたことで、乗り降りや荷物の積み降ろしがしやすくなった。マツダが「東洋コルク工業」として創業したことにもちなんで、内装にはコルク素材を使って質感を高めた。ハイブリッドモデルの価格は242万円から。月間1000台の販売を目指す。
丸本明社長はオンラインでの発表会で「自由な発想で、居心地の良い室内空間を楽しんでほしい」と述べた。
MX-30のEVモデルについては、来年から排ガス規制が強化される欧州で既に9月から販売されており、丸本社長は「約5200台の受注がある。エクステリア、インテリアのデザインや質感などが評価されている」と手応えを口にした。
ただ、「一気にEVに向かうのではなく、普及については慎重に見極めたい」と語った。
一方、ロータリーエンジンを使った電動車の具体的な商品内容は明らかにしなかったものの、ロータリーエンジンは小型で出力が高い上に振動が少なく静かで、EVと相性が良く、航続距離の大幅な延長が期待できる見通しだ。
国内では、ホンダが今月末に小型EV「Honda e(ホンダイー)」を発売。
トヨタ自動車は、軽自動車より小さく航続距離は約100キロという超小型EVを年内に発売する計画で、EVの新車投入が相次ぐ。