インタビュー

経団連 内閣官房に「デジタル局」設置提言

 □経団連・産業技術本部長・吉村隆さんに聞く

 --菅義偉新政権発足直後にデジタル庁創設に向けた意見提言を行った

 「経団連ではもともと、デジタル技術を活用した経営刷新のデジタルトランスフォーメーション(DX)に集中投資していくことが重要だと提言していた。新型コロナウイルス感染拡大で、日本のデジタル化が大きく遅れていることも明らかになり、再びDX推進の必要性が認識され、同時に菅首相がデジタル庁設立を一丁目一番地の政策として打ち出したタイミングに合わせて、スピード感をもったメッセージとして緊急の提言を実施した」

 --提言で強調したい点は

 「まずは行政のDXが喫緊の課題だとしている。コロナで中央省庁のシステムがバラバラで連携がとれないことが問題となり、その解消も必要だ。地方公共団体との連携も重要で、この点を含めた各部署において施策、事務などを見直してデジタル化することが必要だ」

 --デジタル庁の態勢は

 「国・地方のデジタル政策を一元的に企画立案するには、ほかの省庁よりも強い権限が必要になる。そのため、内閣官房に『デジタル局』を設置するとした。さらに、省庁や地方公共団体に提供する実際のシステムの企画や開発を一元的に行う『デジタル庁』を内閣府に設置する。その際に重要なのはデジタル局、デジタル庁がデジタル政策や施策に関しての予算を一括計上した上で、各部署に対し、デジタルについては明確な指揮命令権を持つようにすることが欠かせない」

 --デジタル庁設置準備室などで民間の協力が求められている

 「民間に対して、スタッフとしての参加が要請される可能性が高い。経団連にも要請があった場合は、協力することを検討していく考えだ」

【プロフィル】吉村隆

 よしむら・たかし 一橋大大学院経済学研究科修了。1997年4月、経済団体連合会(現・経団連)入局。経済本部、国際協力本部、産業技術本部上席主幹などを経て2017年4月から現職。

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