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GW観光客、和歌山は「計測不能」コロナで実態と乖離

 新型コロナウイルスの影響で、今年は和歌山県が例年実施しているゴールデンウイーク(GW)期間中の観光客数調査が「計測不能」になった。期間中は全国に緊急事態宣言が発令中で、従来の推計方法では「実態と大きく乖離(かいり)する恐れがある」と判断、初めて公表を見合わせた。ただ、従来の集計方法による「参考値」では今年、前年比マイナス95・0%を記録。県の担当者は「観光業が大きな打撃を受けたことは間違いない」としている。(前川康二)

 県によると、調査は平成16年に開始。各市町が地域の代表的な宿泊施設やレジャー施設の来客状況を聞き取り、地域全体の宿泊者数と日帰り客数の推計値を出して県に報告。県が取りまとめている。

 調査対象は、和歌山市▽高野町▽田辺市龍神村▽同市本宮町▽白浜町▽那智勝浦町▽串本町-の7地点。

 今年はGWを含む4月16日~5月14日、全国に緊急事態宣言が発令され、県内でも調査対象の宿泊施設やレジャー施設の多くが臨時休業に。営業を続けた施設しか調査できず、市町から「推計が困難」などの意見が数多く寄せられた。

 県も集計結果が実態と乖離する恐れがあると判断。公表は見合わせ、参考資料にとどめた。

 ただ、参考値によると、宿泊客と日帰り客の総数は今年、県全体で前年比95・0%減。地域別では、和歌山市98・3%減▽高野町74・7%減▽田辺市本宮町95・4%減▽白浜町95・7%減▽那智勝浦町95・2%減▽串本町99・7%減-と軒並み激減。田辺市龍神村は総数が「0人」と全減になっていた。

 県の担当者は「あくまで参考値だが、県内の観光地は大打撃を受けた」とし、「政府や県の観光振興策などによる持ち直しに期待したい」としている。

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