金融

京都銀“攻め込み”関西地銀が戦国時代へ 警戒される「つぶし合い」 (1/2ページ)

 「広域型地方銀行」を掲げる京都銀行が、本拠地の京都府から打って出る「洛外進出」を進めている。新たに大阪市と兵庫県明石市に拠点を構え、安定した財政基盤を背景に他行のおひざ元に攻勢をかける。迎え撃つ周辺地銀は日銀の大規模金融緩和による低金利で利ざや減少に苦しんでおり、コスト削減から店舗網を縮小するなど防戦一方。菅義偉首相が「地銀は多すぎる」と述べ再編圧力が高まるなか、他地銀のエリアに積極進出する京都銀行の姿勢には「まるで戦国時代だ」と警戒する声も出ている。(岡本祐大)

 大阪、兵庫に攻め入り

 京都銀行は9月14日、法人営業に特化した「法人オフィス」を大阪市平野区と明石市の2カ所に設置した。両エリアは中小企業が多く、営業先として開拓余地がありながら、これまで近隣地域の店舗がカバーする「空白地」だった。特に明石は、現在の支店網で一番西の神戸支店からさらに西進し、播州地方にまで攻め込んだ形だ。

 オフィスには机とパソコン、電話などがあるだけで、窓口やATM(現金自動預払機)はなく、看板すら設置していない。それぞれが近くの八尾支店(大阪府八尾市)や神戸支店(神戸市)に籍を置く営業担当者4人が駐在し、客先に出向く法人営業に特化した形を取る。

 なぜ店舗ではなく、法人オフィスとしたのか。店舗戦略を担当する西村浩司常務執行役員は「今回の『出城』のような形なら、新規出店に比べてコストはほとんどかからない」と説明する。従来型店舗は設備を整える分、賃料や人件費もかさみ、初期投資の回収に時間がかかる。しかし、法人オフィスなら経費は大幅に下げられ、「失敗のしようがない」(西村氏)ということだ。

 銀行業から「総合金融ソリューション業」への転換を掲げる同行は近年、企業同士を結びつけるビジネスマッチングや販路開拓などの法人コンサルティングを強化。京都を中心に展開するネットワークの広域性を強みとし、進出先にアピールする。

 今後の実績次第では正式店舗への昇格を見据えており、西村氏は「人口や企業の集積する兵庫県南部など空白地にさらに『出城』を展開することも検討したい」と意気込む。

 「長~いお付き合い」背景

 もともと京都銀行は昭和16年、京都府北部の4銀行が合併し、福知山市に本店を構えた「丹和銀行」が起源。京都銀行に改称し、28年に京都市へ本店を移した京都では「後発銀行」でもある。

 その後、いまや京都を代表する大企業になった京セラや日本電産、任天堂、オムロンなどが規模が小さいころから融資や出資で関係を構築。「掘っ立て小屋の時から知っている」(京都銀OB)というほど、有名なテレビCMさながらに「長いお付き合い」を続け、各社とともに成長してきた。

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