テクノロジー

CEATEC、電子部品メーカーが自動車支える技術をアピール

 オンラインで開催されている国内最大級の家電・IT見本市「CEATEC2020」(23日まで)では、自動運転化が進む自動車を支える電子部品メーカーの最新技術も多数展示されている。先進運転支援システム(ADAS)や電気自動車(EV)が普及する中、電子部品の存在意義が向上。オンライン会場では、各メーカーが自動運転を見据えて開発した製品をアピールしている。

 京セラは高度な自動運転を想定したコンセプトカー「Moeye」(モアイ)を出展した。車内にハンドルはなく、外の景色を投影して“透明化”したダッシュボードや、キャラクターの像を空間に作る空中ディスプレーなどを搭載。車載部品では、距離や方向が異なる複数の対象物を1台で検知する「マルチファンクション型ミリ波レーダー」を出展した。

 村田製作所は、トンネルなど衛星測位システム(GPS)を使用できない状況でも自動運転車が走行でき、誤差数十センチレベルで車の位置情報を測位できる慣性力センサーを出展した。ADASの高精度化にも貢献するとして、12月末から量産をはじめる。

 ロームの展示ページでは、自動車の電子回路システムが異常を検知しながらも動作を続けることができる半導体スイッチを紹介。経年劣化に強く従来の仕組みに比べて数十倍という長寿命もアピールする。

 ADASやEVの普及で自動車の電子部品は1台あたりに使われる点数が増加。4月の法改正では、高速道路の渋滞時に前方から視線を外すことができるレベルでの自動運転も解禁され、各メーカーが電子部品の安全性や性能の向上に向けて開発を加速させている。

 一方、CEATECでは20日、次世代型モビリティをテーマにしたオンライン会議が公開され、東京都大田区の羽田イノベーションシティや大阪府吹田市の万博記念公園で走行する自動運転バスが紹介された。

 この自動運転バスを遠隔管理するプラットフォームを提供したソフトバンク子会社「ボードリー」(東京都千代田区)の佐治友基社長は産経新聞の取材に「人手が減る自動運転バスは便数や運行時間を増やせ、新型コロナウイルスの感染対策で社会的なニーズが高まった交通機関の混雑緩和にも貢献できる」と強調した。(山本考志)

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