金融

富裕顧客の情報共有 三菱UFJが来年6月に本格稼働

 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が富裕層向けビジネスの強化に向け、富裕顧客の情報の共有を始めることが22日、分かった。傘下の銀行、信託銀行、証券会社でそれぞれ抱える総資産3億円以上の顧客情報を集めたデジタルプラットフォームを作り、来年6月の本格稼働を目指す。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の荒木三郎社長が産経新聞とのインタビューで明らかにした。

 情報共有について同意を得た顧客の基本情報のほか、営業担当者とのやり取りの履歴、資産の保有状況を各社の営業担当者が端末で見られるようにする。相続や事業承継のニーズが発生した顧客への提案を助言してくれる機能もつけ、グループ全体のコンサルティング力の底上げを図る。

 証券会社は取り扱う金融商品の幅が広い上、M&A(企業の合併・買収)や社債発行による資金調達の支援など、法人向けのメニューも充実している。荒木社長は「商品・サービスが富裕層に一番刺さるのは証券だ」と述べ、グループ戦略の中で主導権を発揮していく考えを強調した。

 同社は富裕層向けビジネス専門の営業体制を現在の約600人から、2年後に約1600人に増強する計画。顧客の長期担当制も全社に広げる。

 MUFGのこの取り組みは、同じグループの銀行と証券会社で顧客情報の共有を制限するファイアウオール規制の見直しに向けた議論に一石を投じそうだ。現行制度では、顧客の同意があれば顧客情報を共有できるが、金融機関にとってはサービス提供のスピードが落ち、コストもかかる。

 荒木社長は「日本企業が国際競争力をもって戦略を進める上で規制が足かせになっている」と緩和を訴える。銀行の優越的地位の乱用や、預金者と投資者の利益相反といった問題を防ぐための罰則強化の必要性も指摘した。

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