NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社と米アップルは23日、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の新型「12」シリーズ2機種の販売を開始した。国内で5割弱のシェアを誇るアイフォーンで初となる高速大容量の第5世代(5G)移動通信システム対応機種の登場で、現行の4Gから5Gへの買い替えを検討する消費者が増えそうだ。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、携帯大手3社は販売を完全予約制としたほか、例年、発売日に販売店の店頭へタレントらを招いて開催してきたイベントを見送った。
唯一、KDDIがオンラインでイベントを行い、東海林崇副社長は「5Gの世界は今までと違い一段上がった世界になる。それに対応したアイフォーンを楽しんでいただきたい」とアピールした。
「12」シリーズはデータ処理の頭脳であるプロセッサーに“スマホ最速”をうたったチップを搭載、サクサクとした操作性の良さが特徴だ。また高精細の有機ELディスプレーを採用し、画質の高い写真や動画を楽しむことができる。
12シリーズは4機種あるが、23日に発売したのは普及モデルの「12」と上位モデルの「12プロ」の2機種。12のデータ容量64ギガバイトの機種の場合、販売価格はアップルでは9万4380円(税込み)。
一方、携帯大手3社の定価は10~11万円程度とアップルより高いが、分割払いの購入で2年後に端末を返却するなどの条件であれば、実質負担額はドコモが6万7584円、KDDI5万5430円、ソフトバンク5万5440円となり、半額程度で済む。
12シリーズの小型軽量モデル「12ミニ」と最上位モデル「12プロマックス」は11月13日に発売される。アップルでの販売価格は12ミニが8万2280円からと、4機種の中では最も安価。最新モデルを安く入手したければ、12ミニ発売を待つことも選択肢となる。
5Gはサービスエリアが限られる課題があるが、端末は中国メーカーや米グーグルなどが5~7万円程度の対応機種を投入。人気が高いアイフォーンの5G対応端末が発売されることで、低調だった5Gの利用拡大が期待される。