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「締めの一杯来なくなる」 首都圏の終電繰り上げにラーメン店悲鳴 (1/2ページ)

 JR東日本が21日、来春から山手線など首都圏の17路線で、最終列車の発車時刻を早めると明らかにした。繰り上げ幅の最大は高崎線と青梅線の約37分。「新型コロナウイルスで経営が苦しいのに、さらにお客さんが減る」「働き方に影響する」。都心の駅前飲食店や日々の通勤で沿線を利用する人々からは、さまざまな声が聞かれた。

 「影響は間違いなく出ると思う。街全体で(お客さんの)引きが早くなるのでは」。JR上野駅(東京都台東区)近くにあるホルモン焼き店の男性店主(63)は、こう漏らす。

 新型コロナの感染拡大で、客足は昨年と比べて3割ほどしか戻っていない。「アルバイトの従業員にも生活がある。(終電が繰り上がっても)30分でも長く雇ってあげたい」とするが、コロナ禍で飲み会を自粛する企業が今も多いことに触れ、「そうした人たちが早く戻ってきてくれないと、どうしようもない」と肩を落とした。

 多くの会社員らが行き交う新橋駅(港区)近くのラーメン店「博多天神2号店」の店舗責任者、江本行雄さん(66)も逆風になりかねないと懸念する。以前は午前0時過ぎにも「締めの一杯」を求める男性客が多く訪れていたが、「今は午後11時以降はパタリと客足が止まる」。現在は7割程度にまで回復しているが、「このままでは、コロナ前に戻るのは無理かもしれない」と気をもむ。

「むしろプラスに働く」の声も

 一方、新橋駅近くで待機していたタクシー運転手の男性(65)は「(繰り上げは)われわれの業界にとっては好影響なのでは」と期待を寄せた。終電を逃したタクシー利用客が増えるのではないかとの胸算用からだ。

 同様に、終電の繰り上げを前向きにとらえる店舗もある。上野駅のガード下で焼肉や串カツなどを提供する飲食店は、朝5時まで営業。これまでも終電後にまだ飲み足りない客を受け入れてきたといい、店員の男性は「終電繰り上げで早めに帰ってしまうお客さんもいるだろうが、終電を逃したお客さんは増えると考えると、店にとってはうれしい」と話した。

 JRが終電を繰り上げれば、接続する私鉄の終電時間も早まることもありうる。横浜市内から相模鉄道線(相鉄線)とJRを乗り継いで東京都心に通勤している男性公務員(33)は、「これまでのように終電に合わせて勤務を終えるのではなく、働き方を抜本的に見直すきっかけになると思う」と語った。

 上野周辺などで月に1、2回、仕事帰りに終電間際まで飲むという千葉県市川市の会社員の森海渡さん(25)からは「遅くまで飲めなくなるのは残念。街に活気がなくなってしまう」との声も聞かれた。

 コロナ禍で浸透した、外食を避ける食事スタイルが、JR東日本の最終列車の発車時刻繰り上げで、さらに加速する可能性が出てきた。駅前などに店舗を構える居酒屋やレストラン業界では生き残りをかけて、メニューの宅配や店の衣替えなどの取り組みを推進している。

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