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Jパワー、石炭依存で経営の節目に 高効率化求め設備転換急ぐ

 大手電力会社に電気を卸売りしている電源開発(Jパワー)の経営が節目を迎えている。大量の二酸化炭素(CO2)を排出し、環境への負荷が多いと批判される石炭火力発電所への依存度が高いためだ。

 政府は特にCO2排出量の多い非効率石炭を段階的に削減する方針で、Jパワーの8基が対象となる可能性がある。運転を継続するため、排出量を抑えた高効率の設備に転換することで活路を開く考えだが、投資負担が重くなり収益の悪化を危ぶむ声がある。Jパワーの国内の発電能力は水力と火力がほぼ半々だ。ただ火力は石炭がほとんど。単独で運営する石炭14基のうち非効率は8基で、発電能力は大型原発のおよそ3基分に当たる約350万キロワットになる。

 経済産業省が今年7月に公表した資料では、2019年度の総発電量に占める非効率石炭の割合は36.8%。大手では沖縄電力(55.1%)、北海道電力(38.8%)に次いで依存度は大きい。

 このため高効率設備への転換を急ぐ。今年6月に竹原火力発電所(広島県)で「超々臨界圧」と呼ばれる設備を採用した石炭が運転を始めた。投資額は非公表で、約6年かけて非効率の石炭を置き換えた。環境への負荷が小さいとされる木質ペレットなどのバイオマス燃料をまぜ、CO2排出量を1、2割程度削減する予定だ。

 最先端の技術にも期待をかける。超々臨界圧よりもCO2排出量を抑えた設備や、排出したCO2を分離回収して地中に貯蔵し、燃料として再利用する技術の開発を、中国電力と広島県で進めている。

 SMBC日興証券株式調査部の神近広二アナリストは「4割程度ある非効率な石炭火力の廃止が進めば販売量が低下する。どうカバーするかが経営の課題になる」と指摘する。一方で電気の市場価格が上昇することも考えられ、制度設計を注視する必要があるとした。

【用語解説】電源開発 大手電力会社に電気を卸売りする電力会社。卸市場を通じて、新規参入の電力会社にも販売している。1952年、戦後復興の電力需要を賄うための国策企業として設立された。60年代に北海道や九州の国内炭を利用するため、磯子火力(横浜市)などの石炭火力発電所を建設。70年代の石油危機を経て、海外炭を燃料とする大規模火力を整備した。風力発電にも力を入れており、北海道や秋田などに24カ所の設備がある。

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