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コミュニケーションの体制整備を

 リモートワークやソーシャルディスタンスといった新しい常識が生まれつつある。人工知能(AI)やテクノロジーは進歩を続けている。その進歩に応じて変化が起きるとき、経済的な価値を超えた社会的な価値を見いだしていく必要がある。新しい価値観に対して、まずは現行のルールを解釈し、さらにルールを創造しなければならないこともあるだろう。(となりの法律事務所 パートナー弁護士・沖崎遼)

 そのために弁護士をはじめとする専門家は、知識や経験を画一的に述べるだけではなく、自ら行動し、これまで以上に「縁の下の力持ち」という姿勢で業務に取り組まなければならない。一方、企業は専門家を含めての連携、組織化が必要になる。専門家の役割、対応力を明確化し、日頃から関係を築いていくべきだ。

 従来、弁護士に相談する際には、空いている時間を調整し、わざわざ資料を持参して弁護士事務所に出向かなければならない場合が多かった。しかし、いまではAIやテクノロジーを活用することで飛躍的にアクセスがしやすくなった。上手に利用できれば、「物理的距離」があったとしても「心理的距離」を近づけることが容易になる。

 2020年は激動の年になった。年明け早々に新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大した。9月には安倍晋三首相の辞任により約8年ぶりに国のリーダーが交代し、菅義偉内閣が誕生した。11月には米国大統領選も控えている。こうした変化は成長のきっかけにもなる。コロナ禍では、社内のコミュニケーションの重要性や難しさ、人と人のつながりの大切さを実感できた。こんなときこそ原点に戻って「人と人とのコミュニケーション」のための体制整備に取り組もう。

 変化が訪れる際には必ずゆがみが生じる。ゆがみの真の原因を特定し、その原因を生じさせている問題点を浮かび上がらせ、問題点に対して新たなルールを創造するところまで踏まえてアプローチしなければならない。そのためには、やはり人と人とのコミュニケーションが必要になる。

 AIやテクノロジーは問題点に対する解決策を提示できるが、真の問題点を浮かび上がらせるためには粘り強いコミュニケーションが必要不可欠だ。ふだんからコミュニケーションの窓口を増やし、接触機会を増やしていくことが望ましい。その際、社内外の体制整備の専門家であり、企業法務を取り扱う弁護士の活用が力になると信じている。(この項おわり。次回からWow-Foodの辻慶穂社長が「健康を軸とした食品ブランドの設計」について解説します)

【プロフィル】沖崎遼 おきざき・りょう 北大法卒、北大法科大学院修了。2012年12月弁護士登録。横浜の弁護士事務所を経て18年1月から現職(第二東京弁護士会)。予防法務に力を注ぐほか、中小企業法務を中心に利益の最大化に役立つサービスをパッケージ化して提供。対処法務やビジネスの仕組みに対しての提案も行う。34歳。北海道出身。

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