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小ささは資産 従業員わずか24人のメーカーがハイパーカー世界最速を更新

 小さなハイパーカーメーカーが世界記録を塗り替えた。SSCの「トゥアタラ」は10日、米ラスベガス近くのハイウエー160号線で7マイル(11.27キロメートル)を平均時速316.11マイルで走行。ブガッティ「シロン」のプロトタイプが昨年記録した時速304.77マイルの世界最速記録を更新した。

 従業員わずか24人

 SSCを創業したジェロド・シェルビー氏は電子メールで「人々がSSCを見れば、屈強な競争相手がいるハイパーカーの領域で戦うのかと尋ねるだろう」とコメントし、「ダビデとゴリアテの戦い」での勝利のようだと世界記録樹立を振り返った。

 「私たちの小さな組織が、はるかに大きなエンジニアリング・開発チーム、そしてもちろん巨額の予算を持つ確立されたブランドが実現できなかったことを達成したと思うと、今回の記録は本当にうれしい」と打ち明けた。

 1998年に設立されたSSCの従業員はわずか24人。非公開企業の同社は以前、シェルビー・スーパーカーズと呼ばれていた。シェルビー氏は2019年の映画「フォードvsフェラーリ」で描かれたカーデザイナーのキャロル・シェルビー氏と名字が同じだが、血縁関係はない。エンジニアであるジェロド・シェルビー氏は1990年代前半には医療機器会社を共同設立していた。

 ブガッティやケーニグセグ、ランボルギーニなどとは異なり、協力関係にある大きな自動車グループを持たないSSCの生産台数はごくわずかだ。トゥアタラは年20台程度のペースで、合計100台しか製造されていない。

 設計変更で機動力

 シェルビー氏によると、ブランド規模の小ささは資産だ。トゥアタラの設計・開発過程を通じて、SSCの従業員はテスト結果によって設計変更が必要と分かった場合はいつでもリアルタイムで決定と調整することができた。大きな組織なら簡単なデザイン変更を決めるだけで、数週間から数カ月間にわたる官僚的なたらい回しに直面することもあり得る。

 部品や組み立てに変更が必要と分かると「数時間以内に新たに設計された部品をマシンに搭載」し、翌日には走行する車でテストしてきたのだとシェルビー氏は説明した。

 SSC車は以前にも世界記録を打ち立てたことがある。ギネスワールドレコーズは2007年、SSC「アルティメットエアロ」を世界最速のプロダクションカーと認定。この車の平均トップスピードは時速256.18マイルだった。

 ニュージーランドに生息するトカゲにちなんで名付けられたトゥアタラがもたらした世界記録について、シェルビー氏は「会社をガレージで始めたときは夢見るだけだったこの勝利の知らせを本拠地であるワシントン州に持ち帰れば、今回の成功はさらに素晴らしいものになる」と電子メールで伝えてくれた。(ブルームバーグ Hannah Elliott)

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