金融

第一生命が企業年金保険、利率下げへ 年0.25%に

 第一生命保険は29日、企業から資金を預かって運用し将来の従業員の年金に充てる企業年金保険について、運用する際に約束している予定利率を2021年10月に現行の年1.25%から0.25%に引き下げると発表した。同社によると、契約している約3000社が対象で、利率引き下げに踏み切るのは19年ぶり。

 新型コロナウイルス感染拡大に対応した世界的な低金利が響き、資金運用で高い利回りを確保するのが難しい状況が続いているためで、生保他社も追随して利率を下げる可能性が高い。

 企業年金は、公的な年金である国民年金や厚生年金とは別に、企業が運用する私的年金。今回、第一生命が利率を下げるのは、企業年金の中でもあらかじめ将来の給付額が保証されている「確定給付型年金」向けの保険商品。生命保険協会によると、確定給付型の企業年金は日本全体で約1万3000社、加入者は約940万人に上る。合計の資産規模は約61兆円で、このうち4分の1程度を生保の企業年金保険で運用している。

 企業側が今後も年金の給付水準を維持するとした場合、企業が掛け金を積み増したり、他の運用手段で資金を確保したりといった対応を迫られる。近年は、将来受け取れる年金額が運用実績で変わる「確定拠出型年金」に移行する企業も増えつつあり、こうした流れが強まりそうだ。

 利率引き下げの背景には、日銀のマイナス金利政策が長期化していることに加え、新型コロナで停滞した経済活動を回復させるため、各国がこぞって低金利政策にかじを切ったことがある。

 第一生命は確定給付型年金向けの新規契約を10年前から停止していたが、既存商品の利率引き下げに伴い再開する。29日には利率を保証する部分と、成果に応じて分配金を配る部分を組み合わせた新しい企業年金保険商品の発売も発表し、年1.25%超の運用利回りを目指すとした。

【用語解説】企業年金 将来の年金額を手厚くするため、公的年金である国民年金や厚生年金に上乗せする形で、企業が私的に設ける年金制度。基本的には企業が掛け金を拠出し、資金の運用を生命保険会社や信託銀行などに任せる。あらかじめ給付額が保証される「確定給付年金」と、従業員が運用し結果次第で年金額が変動する「確定拠出年金(日本版401k)」がある。

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