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KDDI、スマホ依存の予防アプリ開発を目指す 治療へ向け医大と共同研究 

 携帯電話大手のKDDIとKDDI総合研究所、東京医科歯科大が「スマホ依存」の改善や予防に向け、共同研究を始めた。東京医科歯科大の「ネット依存外来」を受診する患者のスマートフォンの利用ログを収集して実態調査などを行い、患者の治療に役立てるほか、予防に向けたアプリの開発を目指す。

 東京医科歯科大精神科の高橋英彦教授によると、スマホ依存は疾患としてまだ確立していないが、世界保健機関(WHO)が2019年に依存症として認定した「ゲーム障害」と同様に、日常生活に悪影響が出たり、健康を損なったりしているのに過度な利用をやめられない状態を指す。

 KDDIなどが19年12月にスマホの利用者約9万人を対象に実施したアンケートでは、約25%が長時間利用などに問題を感じていると回答。うち約83%が改善したいとしていた。

 東京医科歯科大が19年度に開設したネット依存外来には、これまでに患者本人や家族ら約80人が訪れた。新型コロナウイルス感染拡大後は、外出自粛によるスマホやインターネットの利用増加を背景に、外来への問い合わせが拡大前の10倍近くになっているという。診療に当たる小林七彩特任助教によると、患者は中高生が多く、気分の落ち込みや意欲低下のほか、睡眠など生活リズムが乱れて学校に通えなくなった例もあった。入院や通院をしながら、心理療法など利用をコントロールするための治療を受ける。

 今回の研究は8月後半に開始。参加を了承した患者のスマホにアプリを入れ、画面ロックを解除したり、動画や会員制交流サイト(SNS)を利用したりした時間などのデータを集めている。データは治療に生かすほか、改善や予防のためのアプリ開発に役立てる。

 高橋教授は「スマホは生活必需品だからこそ治療が難しく、予防に関する研究も十分ではない。外来での臨床経験とKDDIの技術力を組み合わせ、病態の解明や治療に生かしたい」と話す。

 KDDIは別の研究機関と脳科学や人工知能(AI)を活用した調査も進めており、「誰もが適切にスマホを利用できるデジタル社会の実現を目指したい」としている。

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