金融

損保大手がAIで新しい働き方推進 働きがいや組織課題を評価

 損害保険大手が社員の働きがいに対する度合いや各組織が抱える課題をスコアリング(採点評価)し、改善点を見いだす「組織サーベイ」手法を用い、ウィズコロナ時代をにらんだ新しい働き方に取り組み出した。リモートワークが進み意思疎通が希薄になる中、人工知能(AI)を使った解析ツールで社員の仕事への貢献意欲を表すエンゲージメントや組織課題を見える化し、組織力を高める。

 東京海上日動火災保険は10月、リンクアンドモチベーション(L&M)の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」を導入した。約1万7000人の全社員に会社への期待度や満足度の2つの観点から年1回の意識調査を実施する。回答は匿名で組織全体や社員各層、部店単位の意識傾向を把握し、組織長がその結果から得た組織課題をL&Mの専門コンサルタントと改善に取り組む。

 三井住友海上火災保険は今年6月、東証1部上場のITベンチャー、アトラエや日本生産性本部と連携し、組織サーベイの手法を導入。職場の現状に対する職場長自身や部下の意識を、エンゲージメントと仕事の効率化の2つの切り口で毎月、アトラエのエンゲージメント解析ツール「wevox(ウィボックス)」と生産性本部の業務効率化策を組み合わせた三井住友海上の独自モデルで解析し、導き出された課題を組織運営に反映する。四半期ごとに職場長と部下が振り返り、スコアの変化から業務改善につなげる。

 同社は4月の緊急事態宣言下で社員の約7割が在宅勤務した過程で浮かび上がった不要な業務の廃止やプロセスの見直しなど“業務の棚卸し”を実施し、夏から出社・在宅勤務、対面・非対面業務を「ベストミックス」し、全社員の7割程度をめどに出社勤務する新しい働き方に取り組んでいる。組織サーベイの導入はその一環だ。

 東京海上日動、三井住友海上は組織サーベイにより得た解析結果を、業務の継続的改善手法であるPDCAサイクルを用い、組織目標達成や社員の働きがいの向上につなげる。

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